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Cosy Koji について

Cosy Koji にご興味をお持ちいただき、ありがとうございます。
このページは、2022年5月のこの時点で、「本を欲しいのだけど…」と言ってくださった方に向けてのお返事として書きました。ご一読いただければ、幸いです。

このプロジェクトは、2021年わたくし茉莉花フルーンが世界各国から集まった仲間たちと共に、本という形でひとつの具現化を実現させました。

コンテンツのメインとなる麹づくりは、わたくしがこれまで欧州各国を廻りながらお伝えしてきた講座内容をベースに作られています。
その内容を一冊にまとめてほしいというみなさんの希望が、この本を製作するきっかけのひとつとなりました。
初めはわたくし個人のプロジェクトでしたが、2020年に世界の生活情勢を変えたCovid19の出現から受けた影響を経て、少しずつ、自分ひとりだけで完結してはならない取り組みだと感じるようになりました。

2021年の春、それまでにオンラインでの繋がりを深めていた各国の仲間に声をかけ、その時点でできていた30ページほどの下書きを見せながら、今こういうものを作っているんだと伝えました。その時点では、一体何ページになるのか分からないこと、また、わたし個人の産物にするのではなく、みんなと一緒に育てたいということ、もし完成はしなくても、その過程を共有できるだけでも嬉しいこと、そうすることで生きた心地がすること、など自分の想いを伝えました。
その馴れ初めについては、ここに少し書いているので、よろしければご一読ください。

その時から、Cosy Koji はわたしたちみんなのものになりました。みんなで育てている赤ちゃんのような、苗のような。製作はわたくしがメインで続け、基本このメンバー⇩で時折オンラインミーティングで集まったり、グループチャットであーだこーだ言いながら、みんなでわいわい、ちくちくと縫っていきました。

Anh Nguyen @anh_mainz, Germany
Christine Krauss @chirp_food, Germany
Hiroshi Sugihara @foodritual, Australia
Laurent Serin @adonde_lab, France
María José Mantilla @macondiments, Spain
Melissa Mills @sakeconnect, Australia
Mika and Nicholas Repenning @goenfermentedfoods, U.S.A

2021年はそんな風に過ぎていきましたが、それはもうゆるいプロセスでした笑
はっきりした締め切りもなく、「出版」がゴールでもない。この世界にあってほしい、でもないから作るしかなかった。そして完成させることよりも、それを共有することのほうが大事でした。作っていく過程で、メンバーと細かい部分まで、時には本とは関係のないことまで、泣いたり、笑ったりしながら色んな話をしました。

繋がり続けていることが、一番必要だったと思います。会話を重ねながら、思いやりをもってお互いを励ましあい、確かめあっていくような時間でした。

2021年の終わり、その製作にひとつのマイルストーンをうつように、わたしはコージーコージーを束ねて印刷し、製本することにしました。その時点では、もうその完成を見守り続けてくれた人たちが世界中で待っていてくれました。
わたしたちは、その人たちが欲しいと言ってくれた数を本にして、その人たちの手に届けることにしました。最終デザインを詰め、紙を選び、重さを選び、金箔を選び、綴じ方を選び…すべてのディテールについて、辛抱強くオランダの印刷屋さんは相談にのってくれました。

2021年12月。そうして完成したプロトタイプを、限定予約販売という形でほしい方を募り、予約をしてくれた方の数だけオランダで製本しました。そうしてようやく2022年の1月に、コージーコージーは本となり、国際発送で世界中に送り届けられたのです。まるで、紙飛行機を飛ばしているような気分でした。

いま、Cosy Koji を持ってくれている人は文字通り世界中にいます。

一冊一冊それぞれのコージーコージーが、そのひとのもとで、これからやってくる時間を過ごしていくのです。それを想像するだけで、わたしは救われるような気分になります。ありがたい、と思っています。この本を、たくさんの手で育てられたことを。これからも、それがもっと多くの手に包まれて存在し続けていくことを。

この初版がほとんどの手に渡った後、まだ欲しいと言ってくださる方の声が後を絶たず、では最後にもう一度だけ、と Cosy Koji をその方たちの分だけ刷りました。初版と同様、事前に希望数を訊き、先行予約分だけを製本するという形です。その製本も終わり、もうすぐ発送作業も終えることができそうです。個人でやるには限界を感じる量でした。

デジタルで配布しないのか、という声もありました。それについては、こちらをお読みください。

また、「移動図書館」という名目で、だいたい大陸ごとに一冊の割合でコージーコージーを八冊配布しましたので、それぞれが二か月ごとを目安に人の手から手へと旅をし、貸し出されています。日本国内にも一冊巡っています。 

なぜ、自分が思いついた時に、お金を出して好きなように手に入らないのか。
それは、ここまでお読みいただけたらお分かり頂けたと思います。もしまだ手に入れたいな、この本がもっと存在していてほしいな、と思ってくださる方がいたら、どうすればいいのかはご自身で考えてみてください。
わたしからの答えは、このページに書かれていることに尽きます。

最後まで、お読みくださりありがとうございました。
あなたの人生が健やかで明るいものであり続けますように。

Happy Cosy Koji!

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