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ハリーポッターと呪いの子

これは親が観るべきではないのだろうか

不器用な親が観たら痛いだろうな、
いやそれすらも気づかないだろうか。

先日赤坂に「舞台 ハリーポッターと呪いの子」を見に行ってきた。※少しネタバレあり
ハリーポッターは小学生のころから本や映画が出るたびに触れてきたため、舞台版が発表されてからずっと行きたかった。スネイプ先生を好きになり、スリザリンに入りたいと思う数多のハリポタ好きのひとりだ。ただ、詳細なことを話せるまでのレベルではないので、ただの感想をつらつらと。

ストーリーは大人になった不器用な父親ハリーとその子供アルバスとの関係性。そしてアルバスとマルフォイの息子スコーピウスとの友情を描いた3時間40分の舞台であった。

衝撃が欲しいがために情報を入れずに舞台を見に行ったのだが、”人間味が凄いな”というのが正直な感想。私の中で人間は、ある程度クソでぐちゃぐちゃで綺麗じゃないほうが面白いと思っているので、大人になったハリーはその”人間”そのものでわくわくしてしまった。

アルバスの部屋で言い争いになり、我を忘れてキツイ言葉を吐き出すハリーとか、その修復をしようと距離を探りながら関わろうとするハリーとかとってもへたくそだなぁと。親という役割をメタ的に認知して関わるのではなく、対等にぶつかっていこうとする。
これはハリーが親というものを知らないからしょうがないのだけど、学ぼうとはしなかったのだろうか。直接的な経験はできなくとも学ぶ方法はあるのではないか。マルフォイはまだできていたと思うが、それは父親と一緒にいる経験があるからか。親がいる、いないというのはそこまで違うのかと。

でも、私の父親にも該当するぞ、コレは。

父親の父親はいたし、別にいい父親ではあるし、関係は良好だと思っているのだが、関わり方とかコミュニケーション、考え方などヘタだなと思うことはある。私が何様だという問題はあるが、人間として思うことがあるのはしょうがないとしておこう。私だって他者から見ればそうなのだろうから。

話を戻して…だから結局のところは常日頃どのような関わりをしたいかと念頭に置きながら行動するかなのだろう。そう考えると少し遅くなってでも対等にぶつかって、経験則で学んでいくのは全うなことか。舞台で見るからこそとても生々しくて、人間味があって…
藤木直人さんの初日を観劇したので、これが千秋楽に近づくにつれまた変わっていくのだろうな、他の人だったらどう感じるのだろう。不器用さをまた見に行こうかと思っている。
親になったこともない小娘がつらつらと面白いな。
親になった時に特大ブーメランにならないように、忘れないでいれたらいいなと思っている。

その友情は

アルバスとスコーピウスの友情は、
ほんとにそれ友情?ねぇ?ねぇ?

もう観劇途中から申し訳なくなっていた。特別好みはしないがそちらへの理解はあるオタクのため、どう見ていいか分からなかった。友情関係を表すのにその言葉を使うのか?とずーっとツッコミを入れていた。一緒に行ったオタクじゃない人間の目にもそう映っていたようで、少し安心した。
これまで友人との関係を持たなかった、持てなかった人間はこうも依存的というか重くなってしまうのかなと。観劇後よそ様の感想を見ていると、組み合わせで変わるらしいのでちゃんと確かめたいと思う。というか、早く本を読んで確かめます。

舞台装置

専用劇場ってスゲー(語彙力)
演出が凄い魔法が凄いと聞いていたから、ハードルを上げて見に行ってけれどそれを優に超えてきた。
ネタバレになるが、火が出る、プールがある、ワイヤー吊り、動くステージと階段装置、客降り?…もうアトラクションじゃん。是非劇場で体感してほしい。そして舞台セットが細かいので、双眼鏡で永遠にステージ上方のアーチを凝視していた。プロジェクションマッピングも細かく投影されるから、とても綺麗で永遠に見ていたかった。

終盤のハリーとアルバスの二人のシーンの夕日の照明。

1週間たってもあの優しい色は目を閉じた瞼の裏にはっきりと浮かび上がる。それくらい好きな照明だった。
まだ見足りない場所、気づいていない演出などあるかもしれないので、いろんな角度から見てみたい。そして、他の人にも見てほしい。てか、見ろ!

結局のところ

親子関係、友人関係を綺麗じゃなく描かれており、生々しく演じられているため、在り方について色々考えさせられるとともにしっかり泣かされた。もちろんハリポタ好きが嬉しいエピソードや人物も登場するため、それでも泣かされるがとても良き舞台だったと思う。他のキャストや時期によっても感じ方が結構変わりそうなので、また観劇しに行こうかと。
そして、もう一つ。一緒に行った普段舞台を見ない人間が、「舞台って面白い」といってくれたのが、何気一番キタ。私は演劇に精通しているわけではないけれど、好きな人間として良さを知ってもらえて嬉しかった。

またどこか誘わせてくれ。

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