個 弧 呼
ふだんから私の頭の中は喧しい。
だから他人といると黙ってしまう。
頭の中の言葉は誰かに向けた言葉じゃないし
誰かに向けた言葉を選ぶには頭の中が喧しすぎるから。
だから一人が楽で好きで愛してる
一人でいることは独りに思われ
静かな世界を想像されるかもしれない。
けれど私の世界は一人であればあるほど賑やかだ。
純粋な私だけの言葉たちが鳴り響いて
水面の波のようにぐわんぐわんと広がっていく。
私の中の言葉が波になって風になって大きく大きく膨らんで
膨らみ切るとそこにぷすっと穴が開く
そこでやっと他人を欲する
安心できる他人を
最大限に膨張した一人で作ったその何かの穴から
飛び出す言葉たちを誰かに聞いてほしくて
こう考えると一人であるからこそ
他人が必要だし
他人を必要とするために
一人になってるフシがある。
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