4.SNSの特性、使い分け②

 ①でYouTube、Instagramをざっと説明しましたが、ここではTikTokについて説明したいと思います。

 前回、YouTubeとInstagramは共に「検索媒体」だと説明しました。それに対してTikTokは「レコメンド式」でユーザーに動画を届けます。厳密に言えばYouTubeもレコメンドはしています。しかし長尺の動画という特性上、一度の視聴時間の中でユーザーが出会う動画には限りがあります。
 TikTokはショート動画だからこそレコメンドのメリットが発揮され、アルゴリズムがユーザーの関心に合わせた動画との出会いを可能にします。

 具体的に何が行われているか説明します。

 例えばお笑いの切り抜きが流れたとき、冒頭でスワイプしたとします。するとお笑いの動画はあまり流れてこなくなります。
 次にゲーム実況の切り抜きが流れてきたとき、それを最後まで見たとします。すると再びゲーム実況の動画が流れてくる確率が上がります。

 これだけ聞くと当たり前のように感じるかもしれません。しかし肝心なことは一つのそれにかかる時間です。ショート動画ではこれら単純な行為を一つ済ませるのにかかる時間は、たった数秒から数分です。つまり、YouTubeで一本動画を見終えるまでの間にTikTokではアルゴリズムによるレコメンドが何度もなされ、YouTubeよりもユーザーの興味関心へ迫るレコメンドが実現されています。

 これが「検索」という行為を介さずにユーザーとユーザーを繋げる仕組みとなっていて、レコメンドはユーザーが自分の知らなかった新たな出会いを得る可能性を秘めてきます。YouTubeもInstagramもYouTube ショートやリールを輸入しなければいけなかった程の影響力がここにあります。

 では、更に具体的に「どのようにレコメンドされるのか」を説明します。TikTokは、評価を集める動画においてフォロワーの数が関係がありません。フォロワーが0人だろうと100人だろうと1000人だろうと、まず最初にアルゴリズムによって100〜300人程に自動的にレコメンドが行われるからです。
 そこで一定の評価を得た動画は、次に500〜600人へ。同じように1000人、2000人と、評価を集めるほどに自動的に大勢にレコメンドされます。

 私はこれを聞いたときに感動しました。TikTokは「良いものがちゃんと評価される場」なんです。いろいろと流行り廃りや決まったフォーマット、テンプレは無数にあることは事実ですが、既にインフルエンサー達にパイを分け切られた他のSNSでは難易度が高かった戦いが、TikTokならフラットに始められます。

 これまで私はMVを作る際、予算内の制作でアーティストに少しでもメリットがあるためにどうしたらいいかを考えてきました。もっと言えば、どうしたら意味ある映像になるかを考えてきました。インディーズアーティストはお金があまり無い方が多いです。そんなアーティスト達のなけなしのお金をいただいて作る作品が自己満足で終わってしまうわけにはいかないのです。
 しかしこの学びの中で私は一つ答えを出しました。TikTokでMVを作るべきです。インディーズアーティストに最も必要なことは知ってもらうこと。マーケティングファネルの「認知」→「興味」に特化したショートMVにアーティストは本腰を入れるべきなのではと思うのです。

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