「風立ちぬ」キャラ配置戦略【宮崎駿】
加代と、
黒川さん
どうもキャラが似ている気がした。口うるさく、実は親切、情が深い。で、表でキャラをまとめてみた。
カプローニに夢で出会う。
目が覚めると母が居る。二人はパラレルである。
お絹は次郎が好きだったが先に結婚。
本庄もさっさと嫁をもらう。
黒川の口うるささを制止するのは服部。
加代が追いかけようとするのを制止するのは黒川夫人。
こういう表になる。
カストロプとユンカーに該当する女性キャラが居ない。
カストロプは「ハレツする」と言う。
国産エンジンも油を吹く。
ユンカーは美しい飛行機を作る。
国産飛行機は、機体は美しい。
だからこういう表になる。
この作品は、菜穂子と飛行機を重ねて描く。堀辰雄の「風立ちぬ」が女性と風景を重ねるのと同じである。
だからこういう表のほうが相応しいのだろう。
次郎がユンカース工場に行ったことをカストロプは知っていた。その軽井沢で次郎は菜穂子に結婚を申し込む。
本作は堀辰雄の「風立ちぬ」と、マン「魔の山」と、ダンテ「神曲」が下敷きになっている作品である。「魔の山」がらみで言えば、
こういう対応が成立するかもしれない。「先に結婚」が、「魔の山」では「先に戦争に」ゆくことになる。
カプローニは、監督が「メフィストフェレスだ」と説明したらしく、たしかに「魔の山」では対応が見つけられない。だからすっきりしない表だが、これ以上整理できなさそうなので今はあきらめる。
あと気がついたのは、機体に優しくかぶさる雲は、
菜穂子のかけてくれた布団なんだろう。
しみじみ。
追記
週休二日さんの考察です
https://dangodango.hatenadiary.jp/entry/2022/07/31/004829
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