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【最新号試し読み】月刊不動産流通 23年4月号

月刊動産流通2023年4月号」が発売となりました。

その中から、
・流通フラッシュ「Z世代の心をつかめ! 賃貸住宅の新しい動き」
・特集「不動産市場 2023年のキーワード」
の内容を掲載します。

試し読み①(全文掲載)
流通フラッシュ
「Z世代の心をつかめ!賃貸住宅の新しい動き」

新たな付加価値を創出。
ボリュームゾーンを呼び込む

  賃貸マーケットにおける入居者獲得競争が激しさを増す中、昨今の賃貸需要のボリュームゾーンであるZ世代(1990年代中盤以降生まれ)のニーズをつかもうと、賃貸住宅事業者が、多様な商品展開を見せ始めた。
 ITの普及・発展とともに成長したミレニアル世代(81~90年代半ば生まれ)に続く世代として注目されているZ世代は、生まれた時からインターネットが当たり前に存在しているデジタルネイティブ。スマートフォンやSNSを当たり前に使いこなし、ソーシャルメディアにおけるコミュティを重視する傾向が強い。また、プライベートを優先する、コストパフォーマンスと共にタイムパフォーマンスも重視する、自分らしさを尊重するといった特徴も指摘されている。
 こうしたニーズを満たすことで若いユーザーを取り込もうと、家具のサブスクリプションサービス、栄養バランスが取れた食事提供、共用のシアタールームやフィットネスルームなど、これまでの賃貸住宅ではあまり見かけることのなかった仕様・サービスが登場。市場に供給され始めた。
 個々の取り組みの成果についてはこれから? といった部分もあるが、各社ではそこそこの反響・問い合わせを受けており、手応えは感じているという。
 Z世代は不動産の所有にこだわらない人が少なくないとも言われており、各事業者の取り組みや工夫により、賃貸市場に新たな需要層を取り込むことも期待できる。さらには、こうした動きが波及していくことで、賃貸住宅の多様性や新たな価値創出、さらにはマーケットのイメージが大きく変化していくことにもつながるかもしれない。


試し読み②(一部掲載)
特集「不動産市場 2023年のキーワード」

2023年、不動産市場はどのように変化していくでしょうか。
「トレンド」「マンション」「戸建住宅」「既存住宅」
「賃貸」「住宅リフォーム」「オフィス」「物流不動産」「競売」
各ジャンルのアナリストが、市場の鍵となるキーワードを挙げ
動向を予測します。

トレンドのキーワードは?
「日銀金融政策」

ソニーフィナンシャルグループ(株)金融市場調査部
シニアエコノミスト 宮嶋貴之

 日本銀行の金融政策の修正が進むかどうかが注目点として急浮上。2023年中の完全な正常化は見込みにくいが、長い目で見た金利上昇リスクが意識されて不動産市場の重石となり、二極化を加速させる契機となる可能性が
ある。また、オフィス市場では在宅と出社のハイブリッド型の働き方の定着により、オフィスの質を求めて選別の動きが加速するかどうかが注目される。

●経済活動再開の進展で持ち直しが続いた22年

 22年の日本経済は、21年からの景気回復傾向が続く年となった。実質GD
P成長率は前年比+1・2%程度が予想され、2年連続のプラス成長になる見込みだ。また、水準もコロナ禍前の19年平均に肉薄し、景気回復テンポがやや高まった年と評価されよう。
 この要因は、①行動制限要請の見送りによる個人消費の回復、②旺盛な設備投資意欲、③入国規制の全面緩和等が挙げられる。

 まず、①については、22年はワクチン接種率の上昇やオミクロン株による
重症化率の低下を考慮して、政府は感染者数が増加した局面でも休業や外出自粛の要請を見送った。その結果、これまでほど外出は減少せず、旅行や飲
食などのサービス消費の持ち直しによって景気回復が続いた。ウクライナ危
機を契機とする国際商品価格(原油や食料品など)の高騰と日米の金融政策
の温度差による円安の進行によって、生活費が上昇したことは大きな逆風となった。それでもコロナ禍での外出自粛の動きによって積み増された貯蓄もあり、個人消費は底堅く推移した。

 次に、②については、コロナ禍で先送りされ続けてきた設備投資が、経済
活動の本格再開に目途が立ってきたことで持ち直している。コロナ禍での環
境変化に伴い、デジタル化やグリーン化、経済安全保障にかかわるサプライチェーン見直しなど、必要に迫られる投資分野が拡大したことも後押しにな
っていると推察される。

 最後の③については、昨年は6月に観光目的のインバウンド(訪日外国人
客)のうち、団体客の受け入れを再開、10月からはインバウンドの大部分を占める個人客の受け入れを再開させ、入国制限を大幅に緩和した。その結果、10~12月期から韓国や台湾、香港、タイなど東・東南アジア地域からの訪日客が急速に増加した。

●不動産市場の改善続くが、アセットに温度差が

 景気が回復する中で、22年の不動産市場も、総じて見れば改善傾向が続いた。国土交通省「不動産価格指数」をみると、住宅および商業用不動産価格
指数は、双方とも21年にコロナ禍前の水準まですでに回復していたが、22年
も上昇傾向が続いた。
 ただし、アセット別に見ると、まだ温度差は残る状況が続いた。22年は、
前述したように経済活動の再開が進み、コロナ禍で深刻な打撃を受けたホテルや商業施設の賃料が最悪期を脱したことは明るい材料だ。ただ、ホテルについてはインバウンドの本格回復が始まったばかりで、国内旅行も政策支援の動きから急速に持ち直したとはいえ、完全復活までにはまだ至っていない。商業施設も、ホテルと比べれば回復が進展しているとはいえ、都市部の
店舗についてはインバウンド客の回復が不十分なため回復は途上だ。
 一方、過熱感が引き続き強まっているのは住宅、特にマンションだ。経済
活動再開から都心部への人口流入が戻りつつあることや、コロナ感染状況を
踏まえて出社率を引き上げる企業も出ていることから、都心部、その中でも利便性の高い地域へのマンション需要は根強いままだ。建設資材高騰や人件費増加も、価格が下がりにくい要因となっている。
 物流施設についても、過熱気味の状況が続く。供給増もあって空室率は上
昇したが、コロナ禍前からEコマース市場の拡大に伴う宅配需要の増加が後押しとなり、賃料の上昇は続いた。
 一方、オフィス市場の停滞は続いた。三鬼商事(株)のデータ等をみると、東京都心のオフィス市場では、22年は…空室率の上昇には歯止めがかかったものの、賃料の弱含みは続いた。コロナ感染による重症化率の低下や長期間の在宅勤務によるコミュニケーション不足などの課題を踏まえ、出社率を引き上げる企業も増加している。ただ、感染状況の先行き不透明感やデジタル化を通じた働き方改革の促進などを背景に、在宅と出社のハイブリッド式を続けている企業もあり、オフィスビル需要はコロナ禍前のように大きく増加しているわけではない。J-REITにおけるオフィスセクターは、他のセクターと比べて持ち直しが明らかに遅れており、先行きへの不安が燻ったままの一年となった。

●23年は世界経済からの逆風の中、底力が試される年に

 23年の日本経済は、引き続き安定成長が維持されるとの期待が大きい。その理由は、①経済活動再開の本格化、②賃上げへの期待、③円安物価高の影響一巡が挙げられる。

 ①については、日本は欧米諸国と比べれば、ウィズコロナへの移行による経済活動再開がやや遅れた。そのため、リベンジ消費の動きはようやく本格化し始めた段階であり、当面はこれまでに積み増された貯蓄が消費に回ることで景気が下支えされる可能性が高い。加えて、インバウンドは国際便の本格的な増便に伴って増加傾向が続くだろう。
 ②については、昨年の40年ぶりの物価高による生活費高騰や人手不足感の強まりから、今年の春闘では相応のい賃上げ率が実現する期待が高まっている。
 ③については、昨年急速に進んだ物価高の要因は円安と国際的な商品価格の上昇だったが、今年はこの影響が一巡すると予想される。米国の景気後退懸念が高まる中で米国の長期金利(10年債利回り)は昨年10~12月期から上
昇が一服し、為替レートはすでに円高方向に転じている。そして、原油や食料品など商品価格も、世界的な景気後退懸念が高まる中で、既にウクライナ危機前の水準以下まで低下している。この結果、輸入インフレ圧力はピークアウトしており、今年の半ば頃からは日本の国内物価上昇にも歯止めがかかってくる公算だ。
 逆風となるのは世界経済とIT需要だ。米国やユーロ圏がインフレ抑制の
ために引き締め的な…
(続きは本誌にて)

【解説者】
「トレンド」の解説
ソニーフィナンシャル・グループ(株)(東京都千代田区)

「マンション市場」の解説
(株)不動産経済研究所(東京都新宿区)

「戸建住宅市場」の解説
(株)価値総合研究所(東京都千代田区)

「既存住宅流通市場」の解説
(株)ジオ ラボラトリー(大阪市中央区)

「賃貸市場」の解説
アットホームラボ(株) (東京都千代田区) 

「住宅リフォーム市場」の解説
住宅リフォーム研究所 (横浜市青葉区)

「オフィス市場」の解説
ジョーン ラング ラサール(東京都千代田区)

「物流不動産市場」の解説
(株) イーソーコ総合研究所(東京都港区)

「競売市場」の解説
(株)ワイズ不動産投資顧問(東京都千代田区)

その他さまざまなコーナーが有ります

月刊不動産流通2023年4月号」では、この他にも不動産実務に関わるさまざまなコーナーを掲載しています。

・一問一答!建築のキホン
「ワンルームマンション、簡単に収納機能を追加する方法はありますか?」

・宅建業者が知っておくべき『重説』に必要な基礎知識Q&A 〜建築編
「『レッドゾーンと建築物』その2」

・不動産登記の現場から
「所有権分譲型駐車場」

・関連法規Q&A
「『建築物省エネ法』改正に伴う宅地建物取引業法施行令の
改正について教えてください。」

・適正な不動産取引に向けて―事例研究
「ハウスクリーニング特約は有効と認められ、
また、貸主は借主に対し実施報告をする義務はないとした事例」
                             
などなど…

不動産会社の取り組みを多数紹介。業界の把握に役立ちます。

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☎ 03ー3580ー0791




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