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インキュベイトファンドとG-STARTUPから資金調達のIoTBASE、企業のIoT普及を促進させるサービス展開を加速

皆さんこんにちは。藤原です。今回のスタートアップ取材記事は、IoTBASEを取り上げます。彼らは最近シードラウンドの資金調達を完了したというニュースが記憶に新しいところ。

今回はIoTBASE代表の澤和さんに資金調達の狙いや今後の展望についてお話をうかがうことができましたので、ぜひご一読ください。IoTBASEはいいぞ。

この記事の登場人物

IoTBASE澤和さん

IoTBASE株式会社 代表取締役社長 澤和寛昌氏(上写真)
藤原弘之(質問内容を太字で記載)

IoTで起業したきっかけ

初めまして。今回はG-STARTUPの高原さんの紹介で取材をお願いしましたが、お受けいただいてありがとうございます。
澤和「こちらこそありがとうございます。高原さんとはどういうお知り合いなんですか?」

それがよく覚えていなくて。グロービスを出てるとそういう事ってよくあるんですよ。理由は分からないけど何故かお互い知っている、みたいな(笑)
澤和「そうだったんですね(笑)。今日はよろしくお願いします。」

今回資金調達を終えられたとのことですが、その話に行く前に、そもそもなぜ起業されたかも含めて澤和さんのご経歴についてうかがってもよいですか?
澤和「はい、もちろんです。僕は、実は人材会社の営業マンとしてサラリーマンのキャリアをスタートしました。クライアント企業さんと経営的な課題についていろんな話をする中で、デジタル化で解決できると思う場面が多かったんです。それでITの分野に移りました。当初から起業家になりたいとは思っていましたので、5年くらいですかね、業務委託というかたちで様々なITスタートアップの事業開発やセールスの仕事などをしていました。たまたまそこで関わって面白いなと思ったのがIoTの仕事でした。」

それがIoTとの出会いだったんですね。
澤和「はい。アナログな会社の課題をIoTを使ったデジタル化で解決していく、そのお手伝いがしたいと思って、今の会社を立ち上げました。」

人材会社からIoTで起業って結構珍しいですね。
澤和「そうですね。ただ、製造とか介護とか、人材会社の時から関わっていた分野の企業さんが今のお客さんには多いです。IoTを使って経営改善に直接関わっていくということに面白みを感じています。」

IoTBASEが解決する課題

御社の場合は、具体的にはどういった社会課題を解決するサービスになるんでしょうか?
澤和「現状の社会課題としては、企業がIoTを導入しようとしたときに、デバイスとネットワークとアプリケーションという3つのレイヤーのそれぞれを適切に選定してつなぎ込みを行う必要があるという課題があるんです。その調整コストが非常に高いというのが現状なんですよ。」

それは具体的にはラズパイがあってソラコムあって、というようなイメージですか?
澤和「まさにそんなイメージです。自分に合うセンサーを探してきてメーカーさんを比較したりとか、主要スペックを比較したりとか。通信についても、いろんな通信規格がIoT向けにあって、SIMが良いのかBluetoothが良いのかとかですね。もしSIMにしたとしたら、今度はキャリアさんのWeb管理画面の学習が必要になったりもします。最後に、それらをインテグレーションする開発コストですね。これがIoTの現状だと思います。」

案外めちゃくちゃ大変・・・
澤和「ですので、我々はこれらをもっと簡単に導入できるように、接続済のデバイスを複数ラインナップしておいて、お客様は課題に合わせて選ぶだけでアプリまで可視化できる環境を整えて提供しています。」

なるほど。導入に際してハードルを極限まで下げているんですね。時間もそうですし、コストも下げられるってことですか?
澤和「そうです。低コストで導入できますし、1台から使えます。」

具体的にどれくらいの効果があるか、という数値の部分って、可能でしたらうかがいたいです。ベーシックシナリオで大丈夫なんですが。
澤和「一般的に、三ヶ月から半年かかっていた導入までの期間が、我々だと最短で一週間ですね。」

一週間!?めちゃ早い(笑)
澤和「現行かかっているコストのほとんどが、調整コストとか接続開発のコストにあたるんですけど、そこを予め整理しておけるので、モノが届いた瞬間から、置けば使えるという状態になります。」

物理層に近いお話しはよく分かりました。それらデバイスやネットワークに載るサービスとしては、どのようなものがウリになっているんでしょう?
澤和「何にでも使えるんですが、当社としてはおっしゃるとおり注力している領域をある程度絞っています。車両管理、製造、農業、河川水位、最近は感染症対策というところの領域に重きを置いています。」

大変だった投資家への説明

今のステージとしてはまさにPMF段階って感じでしょうか?インキュベイトファンドさんが今回出資していますが、PMF前のステージでも経営チームに魅力を感じて出資するファンドだと思うので、その辺りは?
澤和「そうですね。まさにPMFを証明しにいっているという段階だと思います。今回はシードラウンドで数千万円を調達させていただきました。」

今は大変な社会情勢ですが、資金調達活動ってどうでした?
澤和「いや、資金調達活動への直接的な影響はなかったですね。今回の騒ぎのちょっと前くらいに調達はほぼ決まっていましたから。契約面とか条件面の部分でちょっと時間がかかっていた感じです。契約面についてはモロに今回の影響を受けましたけどね(笑)。各社バタバタしましたので。」

確かにそうでしたね。
澤和「ただ、調達活動自体は結構苦労しましたよ。多分1年弱くらいは活動していましたから。」

そうだったんですか。どのあたりが大変でした?
澤和「ウチの場合は初めての資金調達だったというのもありまして、まずは投資家さんとのコネクション作りから始める必要がありました。あと、自社の事業をきちんと説明していくというのが案外大変でしたね。」

確かに、誰が見ても分かりやすいサービスというのが・・・
澤和「そうなんです。これまでお伝えしてきたように、ちょっと分かりにくいんですよ。領域を必ずしも絞ってはいないので、どちらかというと、プロセスイノベーションだと思っているので、そこを説明するというのが結構大変でした。『ちょっと難しいビジネスモデルだね』って率直に言われることも多かったですね。」

1年間資金調達活動をやられて、そのような苦労をされながら、最終的にインキュベイトファンドさんが出資を決めたんですが、どの点が評価されたとご自身ではお考えですか?
澤和「まずは、やっぱり選んでいる市場については間違いはないよねって思っていただけたのかなと。IoT自体が持っているポテンシャルですね。これからDXとか自動化とかが進んでいく中で、現場をデジタル化するインターフェイスとして、IoTというのは間違いなく伸びていきますので、その市場が大きい点は間違いがないのではと。」

その市場環境の中でなぜ御社なのかという点についてはどうです?
澤和「企業のデジタル化においては個別性が高いと思っていて、必ずしもバーティカルなSaaSだけでは解決できない部分も残ると思っているんですね。その現場に応じて組み合わせが生じる分が出てくると思うので、そこのニーズを埋めていくプレイヤーとして、IoTBASEがポジションを取れるのではないかと思っていただけたのではと。」

なるほど、その辺りがようやく認められて。
澤和「そうですね。むしろ、その未来の可能性を一緒に信じていただける投資家さんに出会えたと言う方が良いかも知れませんね。」

確かにそうですね。では最後に今後の展望をお聞かせいただけたらと。
澤和「IoTってまだまだ普及していないと思っていまして、統計によってはIoTを活用できているのは15%くらいという調査結果もあります。やはりそこのボトルネックになっているのは、IoTの難しさにあるのかなと。ハードウェアのノウハウと、クラウドのノウハウ、その両方が必要って結構ハードルが高いと思っています。我々としてはハードウェアとクラウドが統合された仕組みを提供することで、IoT導入のハードルを下げ、今よりもっと企業におけるIoTの普及を促進していきたいと思っています。今30社ほどの会社さんにお使いいただいているんですが、これを1年で100社にまで伸ばしていくというのが当座の目標ですね。」

なるほど。よくわかりました。ケップルにも様々なスタートアップ支援サービスがありますので、必要になったタイミングでぜひご利用していただけたらと思います。
澤和「もちろんです。Facebookの方でもつながらせてください。」

承知しました。今日は取材を受けていただいて、ありがとうございました。
澤和「こちらこそ、ありがとうございました!」

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IoTBASE株式会社は、接続済みのセンサーデバイスやアプリケーションを選択し組み合わせるだけで企業のIoT導入を実現するIoTクラウドサービス「IoTBASE Cloud」を提供している気鋭のスタートアップです。

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