周囲の方々と「かみ合ってないな……」と感じることはありませんか? 成果とか、目標とか、かみ合わない原因がどこかにありそうですよ……。[チーム編 #28]
成果とは、組織がその使命に基づいて、達成すべきものです。目標とは、その達成すべきものに具体的に期限と達成基準を付すものです。「何年何月何日までにどんな状態であるのか」ということです。
【コラム 使命、成果、目標】
今回の引用部分を読んで、1年間だけ携わった業務の事を思い出しました。
わたしは建築職で、建築行政に携わっていました。
基本的には、関係法令(私の場合は建築基準法関係)を守ってもらうことが業務の基本でしたが、11年勤めたうちの1年間だけ、施策推進業務に携わる機会がありました。
建築行政の中でも、住宅施策を中心に考える1年でした。
法令順守という「最後の砦」あるいは最低限のラインを越えないように指導する、底上げ・ボトムアップを目指します。
施策推進というと、より良い社会とするためにどうすればいいのか、というところ、トップアップを考えます。
住宅施策の推進、という大枠は認識していましたし、そこで実施している事業もわかっていたつもりでしたが、どうも歯車がかみ合わない……という感覚があったんです。
業務を進めていく中で、上司の意見について疑問が次々と湧いていきました。
「そこまで手をかけなくてもいいよ」と言われたことがあり、上司と物事を見るときの物差しが違うのかも、と気づいたように思います。
実際は、気づきはしたけれど、解決するには至らず、疑問をもったまま異動することになったのですが……(;^_^A
法令順守の業務から施策推進業務に変わるということは、顧客が変わる、ということです。
今思えば、わたしはその顧客の変化に順応できていなかったんです。
住宅施策に関わってくる方々、その中でも事業推進という視点で見ると、その事業の顧客は地域の工務店さんがメインとなります。
地域の工務店さん、と一口に言っても、様々な立場があります。
わたしの感覚でお伝えしてみると……、
都市部の工務店さんでいえば、人口の多さは新築・改築の件数の多さにつながりますので、より良い住宅、他社といかに差別化した住宅を提供するか、というところを考えていらっしゃる会社が多いように感じます。
では、地方の工務店さんは、というと、地域の最後の工務店さんという立場だったり、大手ハウスメーカーの知名度に押されて会社の存続も危うい状況だったり、と様々です。
今のわたしの視点で考えてみると、上司は都市部の工務店さんを顧客として考えていたけれど、わたしは地方の工務店さんを顧客として考えていたのではないかな、と推察しています。
顧客が変わる、ということは、物事を見る物差しも、行動も、もちろん成果も変わってきます。
「何年何月何日までにどんな状態であるのか」という点において、上司とわたしは認識を共有できていなかった、ということになります。
それじゃあ、かみ合うわけはないのです……(-_-;)
世の中的にはアート思考だ、問いを立てる能力だ、と(わたしも)お伝えしていますが、立ち戻って『論点思考』 (内田和成 著 東洋経済新報社)のご紹介です。
「正しい論点で、問題解決力が劇的に向上する!」(紹介HP)とあります。
正しい論点とは、やらないことを決めること、と本書を置き換えながら読んでいました。
「何年何月何日までにこんな状態でありたい」という結果を目指したときに、通り道は一本ではありません。
いたるところに分岐点がある中で、チームメンバー―が一体となって進むためには、通らない道を明確にしておく必要があります。
著者の内田氏はコンサルタント業務をされており、クライアントの本音を探り出す際に論点思考を活用する、と視点で説明されています。
それは、チーム一体となって目標達成に向けて突き進む際にも参考にできると思いました。
トライ&エラーをくり返す前に、その論点は検討すべきなのか、正しい論点であるのか、を突き詰めたうえで、トライ&エラーに着手する、という流れで考えてみる際の参考にしてみてください(*'ω'*)
わたしの事例は、もう5年も前のお話です(;^_^A
目標が異なっていることにもっと早く気づけていたら……、わたし自身の視座を上司と合わせることができたなら……、描いている未来の時点が違うことに気づけたなら……、その当時、本当だったらできたはずのことが見えてきました。
遅かったとはいえ、気づけて良かったな、と思っています。
失敗は失敗です。
失敗はしましたが、見ているところが違った、という経験と、それを言語化することができました。
違和感を感じるときには、かみ合っていないものがあるはずです。
「あいつはわかっていない!!」ということではなくて、お互いの視点がずれている、という認識が共有されていないだけかもしれません。
「あいつはわかっていない!!」とか、「わかってくれない……」と感じたことはありませんか?
違いを言語化してみると、どんな事象が起こっていますか?
その違いは、相手と共に過ごす中で、どのような影響を与えますか?
その違いは見過ごしても支障ないものでしょうか? 解消すべきものでしょうか?
解消すべきであれば、あなたはどのような行動を起こしますか?
『実践するドラッカー【チーム編】』
chapter3 目標を掲げるー組織と個人のベクトルを合わせる p80
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実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
ドラッカー先生の言葉と佐藤先生の解説が1セット、そこかしこに「今のあなた」に必要な言葉が散りばめられています。
佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
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【チーム編】は、チームをあずかるすべてのマネジャーに向けて書かれており、ドラッカー教授のチームマネジメントの極意が1冊に凝縮されています。
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