はるのよい

2020/3/30

湯たんぽのお湯が揺れてるその音で鼓動がわかるから抱きしめる

春だよと暦の数字押しつけた寒いといえず萎れるきみに

(ここにいて、うそです、やっぱそこにいて)
やさしい距離がわからないです

みぎひだりあてずっぽうにあるく夜は
終わりのことが見えなくていい

「ほらこれが愛です」そう言いきみの受けた
手を見てそれが押し売りと知る

病みあがり胸におさまるきみにいつかみた嬰児のすがたかさねる

むしわらい赤子の笑いをそう呼ぶと
「立羽」とつけたきみ見て思う

あたらしく見つけてもらう瞬間(とき)ほど
に怖いものないきみはどうですか


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