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チェレンコフ光を探してしまう

こんにちは。不便なスタッフのザキです。

昨夜、銭湯に向かう途中、黒いコートに白い雪が舞ってきました。
小さな白い粒は居酒屋の看板の強すぎる光に照らされてキラキラと輝き、なんだかよく分からないけど少し切ない気持ちになりました。そんな感じで歩いていたときに、ふと思い出した不便な本屋でのやりとりを今回は紹介します。

池澤夏樹『スティル・ライフ』

ポップ
届いた手紙

雪・星・光あと世界、これらの言葉やものに触れたとき、この本を読んだことがある人は文中の一節や自分で想像した光景が頭によぎるのではないでしょうか。私は冒頭に書いたように、昨夜の雪で思い出して、こうしてnoteを書いています。

こちらの本は不便な本屋を始めていちばん最初に寄付いただいた思い出深い本でもあります。正直なことを言うと、売れるまでに半年ほどの月日が経ちました。その期間に焦りも感じましたし、自分で手紙を書こうと思ったことも何度もありました。もう少し、もう少しと葛藤を続けていたある日、これまでの日々が嘘のように本が売れていきました。手に取ってくださったお客様が本を手に持つ姿が本当にぴったりと合っていて、時間なんて取るに足らない問題なのかもしれないと考えたのを覚えています。時間は有限だけど、その中ですべきことをして後はゆったりと構えて過ごしてもいいのかもしれないと今は思っています。

ポップと手紙を読むと、同じ部分が印象に残ったことが伝わってきます。きっとその他にも、心に残り続けることがそれぞれあるだろうけど、手紙では一部しか分からない。みんなどんなことを考えながら星を見て、どこで雪を見たいと思うのでしょうか。文字を通して知れること、会話で知れること、ずっと分からないままなこと、全部楽しんでいきたいです。

ではまた。

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