アジア製NewBalanceスニーカーを馬鹿にする人とは仲良くなれない
サムネはNewBalance MS327。こんなカラフルでかわいいモデルでもエントリーモデルであり、アジア製となります。つまり他のメイドインUSAやUKと違い量産タイプのNewBalanceで価格が安い。安いと言っても3COINSでは売ってません。しっかり10,000円以上しますしプレミア価格もついたりします。他の高級NewBalanceが高いので感覚が麻痺するんよ。
TBSラジオ アフター6ジャンクションでNewBalance特集を聞いていて、ちょっと自分なりにNewBalanceについて語りたくなりました。
NewBalanceのスニーカーはこのアトロクの放送でも語られているように、非常に歴史ある企業の、もともとお金持ちな人向けの運動靴というイメージのあった商品ですが、ストリートカルチャーと幸運な結びつきを果たします。
この576が日本でも最初にストリートでヒットしたUSA/UKモデルだと思います。今でもよく見かけますね。ぱっと見はおっさん向けスニーカーでも履き心地は最高だし、ある程度のファッションならどれにもハマる無敵のウォーキングシューズ。市場価格23,000円ぐらいかな。当時若かったスチャダラパーと高木完が90年頃によく履いていて、その後さらに藤原ヒロシの後押しによって完全無欠の定番スニーカーになったと言っても過言ではない。この日本のクラブシーンでの影響下が無ければ日本では陸上部のためのシューズだったおそれもあります？
いやそんなわけはない。陸上部のためのシューズで終わるわけが無いだろう。NewBalanceスニーカーは大ヒットを記録しては少し落ち着いて再び大ヒットを記録する。時期ごとに衝動的なグラフを示します。そしてさらなる「おっさんスニーカー」であった990シリーズも、ヒップホップの影響で現在リア充な若者たちがこぞって履いているUSAモデル。市場価格は30,000円を超える・・・さらにプレ値で取引されている・・・。上記のラジオでも語られているように、商品イメージの大きな転換があって、受け入れられる許容範囲が拡大したこその現象であると言えます。ドラスティックな進化を受け入れるアメリカに比べて保身的な思考になりがちな日本市場で990が売れているなんて信じがたいんですけどね。だってこの感じ、数年前までは糞ダサいと言われていたようなタイプですから。
と、まぁNewBalanceには流行やその都度人気になるモデルがあって、話題に事欠かないわけですが、個人的にはどうしても気になるのがアジアで生産されている廉価版と言われるNewBalanceのスニーカー群です。
NewBalanceマニアの間ではアジア製というだけで下に見る人もいるでしょう。たしかにしっかり作られているUSA版やUK版と比べて簡素な仕上がりだったりします。しかしある日MS327を発見して・・・
どうしたんだNewBalance。初めてMS327を見た瞬間に声が出てしまった。過去のモデルを寄せ集めて融合した「フュージョン」シリーズの一種ですがデザインの完成度、急にたっか！
「ニューバランスやればできるじゃねえか！」と大声で褒めてあげたいほど、このビッグNシリーズはデザイン面に大幅な刷新がみられた。おそらくNewBalance史上最大規模のリデザインではなかろうか。アジア生産といってもアウトレットではなくれっきとしたニューバランス開発ですので、しっかり履き心地も保障されています。中身はアシックスじゃんなんてことはないのです。カラバリ商品すべて欲しい・・・でもそうなると990が1500が何足も買えてしまう・・・。決して安くない。悩ましい。
安売りと揶揄されることもあるライン生産群。今はサステナブルという考えもあって、余剰在庫を抱えるような製品を大量に生産してはいかんといった勧善懲悪な空気もある。うーん、そうなると本来は高価なハンドメイドで少数生産にこだわるニューバランスの理念は今の時代にマッチしていることにもなるので、単純にどっちが良い悪いみたいなループに陥ってしまいそうだ。
一個人として単純な感想。アンディーウォーホルがポップアートの大量生産で成功したように、僕は信念さえ覆さなければそれは評価されるべきだと考える人間なので、つまらない偏見は捨てて生きるように心がけていますし、ライン生産すべてが悪とも思わない。ニューバランスは安い製品群でも手を抜かないし、いつだって困るほどに欲しいモデルが品薄だ。一番大切なことを守っている。それでいいじゃないか。困るけどサステナブルに怒られちまうから無駄な物欲は抑えるか。そして今日も忘れたフリしてNewBalance情報を追い求めるのでした。
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