風天という名について。
私が、飲食業に勤め仕事の流れで中国と関わったのは2003年から。
中国での2つの仕事、人生の紆余曲折を経て、その後、江蘇省常州市に自分の小さな会社と居酒屋を立ち上げ経営していた。
”常州貴大風天餐飲有限公司” 2011 年 1 月〜 2023 年 5 月
" 居酒屋 風天 " 2010年 11 月試営業開始〜 2022 年 12 月 営業終了
およそ12年に及んだ、小さな事業、過去のものとなったが少し記事を
書こう。
大阪生まれの自分が、北海道に渡り、そして隣の国-中国にまで辿り着き仕事をしている。自分の店を作ろうとした時、自分の人生を省みて、”フーテン”という名を付けることにした。
漢字の” 風 ”と " 天 " の二文字は、その時の感覚で字面が良いように思えたから。
この二文字を決めてから、調べると 山田洋次監督の映画 ”男はつらいよ” の主演俳優、渥美 清 氏が俳句を読むときの雅号として使われているとのこと。
私自身、時に絵を描いたり何かしら小作品を残すかもしれないが、俳句を詠む事は無いし、飲食業においてそれを貶めるものでないと思ったので、
それを知り一層、この”風天”の二文字を気に入った。
”フーテン”という言葉、ニュアンス的にはその日暮らしの放蕩者、旅人というイメージを持っていたが、あらためて調べると” 瘋癲(ふうてん)" : 気のふれた人、ぶらぶらしてる人、の意味合い。結構な言葉である。
国外で商売するにあたって、日本を代表する映画にゆかりがある名前というのも
良いと思えたし、共産国に会社を作るんだから、”瘋癲”の意味もまんざらお門違いでは無い。
もちろん中文での意味や響きも考える必要があったが
” 风 feng ”=風 、” 天 tian ”=日、空模様、神様 、と意味は問題無く
ピンインから
” feng フゥン” ・・・峰,丰(豊かな)、逢(出会う)、枫(楓)、凤(鳳)、
“ tian ティェン” ・・・甜(甘い)、田、添(添える)、
など、同音でポジティブな他の文字、単語を連想できる二文字である。
個人的には " 風吹く空 "、 追い風、向かい風(こちらが多め)の吹く人生、世の中を指す。たまに、”風狂の風、天才の天”、”Crazy and Genius !”なんてふざけたりしてたが。
会社の設立登記と同時に中国では10年間の登録商標として自分の書を以って興したロゴデザインを有していた(暖簾に使用した字体)。
しかし、デザインフォーマットとして自分のPCに保存しいたものが、数年後ファイルを開くといつの間にか中からその他の写真や資料と共に消え失せていた。
ファイルがあるから気づかなかったが、中から抜かれている。名刺を作るタイミングで久しぶりに開くまで気づかなかった。
簡単なものだし、残った名刺からスキャンして画像は興し直すことができるがオリジナルを持ってかれて気分が悪い、たいした字ではないが私の書の写真、そこから私が画像処理してロゴ化保存したものが失われてしまった。
中国で時折起きるPCトラブル、アナログな生き方の方が良いと仕切りに思っていた。別の機会にメニューの表紙用やTシャツ作りのため、ロゴを違う自体で書いたが、やはり一番最初のものが、思い入れからか味わい深く感じてしまう。
消えたロゴの盗用には遭遇していないが、何かしらの意図を持ってなされたことであろうし、気になる。
” 風天 "、”FU-TEN"という名は、 冒頭に記した 社名と店舗、微信(中国SNS)、Snap dish(グルメフォトのアプリ)に私が個人アカウント下で使用してきたが、それらは、日本、及び中国その他における、いかなる個人や飲食店、及び事業、団体と一切の関連性を持たないことをここに記しておこうと思う。
2024年 8月17日