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常州居酒屋伝説。 風天(1) 出店地決定

 日本人の私がそれまでの仕事のつながりから、中国の常州という街に
小さな会社と1軒の居酒屋を作って暮らしていたという昔話。
2010年〜2023年、風変わりな経歴など、プロフィール記事(長篇)をご覧ください。

Beginning of 居酒屋風天 (出店地の決定とテナント契約)

2010年9月に、中国江蘇省常州という街を訪れ、この街に店を出そうと決意します。 チャレンジ精神と、それまでに培った中国語で、いざ。

               常州という街については ▶︎   ” 私の暮らした街 常州 ” という記事で                                                  

 そこは、常州市新北区。日本企業も大小合わせて150社ぐらいは進出してたでしょうか、400人ぐらいの日本人がいる( 駐在者、出張者混在)らしいと聞いていました。
 ”漢江路”、当時この通りはすでに日本料理店が十数軒、軒を並べた小さな日本人街を形成し始めていました(もちろん中国人によるお店ばかりですが)。

 数は不正確かもしれませんが、街の規模、日本人駐在者の数を、上海から内陸に向かって比較すると、ザックリ、
 上海 2600万人 都市ーーー日本人 約50,000人
 蘇州 1000万人 都市ーーー日本人  約5000人
 無錫  650万人 都市ーーー日本人  約3000人
 常州 400万人 都市ーーー日本人   約400人
 こんな感じだったと思われます。私は中国に関わり、この時点で7年程。それまでの、上海から飛び出して、蘇州、無錫のすでに出来上がった感のある商業街よりも、チャレンジ感ある土地を目指して常州への進出を決めました。

 2010年9月、一度常州を視察して、あたっている料理屋物件があったのですが、そこはマンションの1階スペースで、消防法の都合20数メートルだったか、居住スペースから離れないと飲食店の新しい営業許可を取れないとの事で、
現状の中国人営業許可証を借りると、後々トラブルになるので、一緒に働く予定の人間が見つけてきたこちらの物件を、借りることに

 一方、会社設立の許可を得るため、中国人の知人と政府を訪ねて外資企業を誘致する部門に相談し、設立の段取りを同時進行しました。

漢江路260号 私の契約前はお好み焼き屋
上海の人が作ったらしいが、半年閉めている状態 
少し造作物有りの一階
2階に小さな厨房
2階小上がりは障子のような?もので区切られたスペース
2階 テーブル毎に電気の鉄板 足元は掘りごたつ式
既存の手洗い

 1階の造作物を取っ払うことを条件で、引き渡しを完了。
2階はテーブルの配置割りをそのまま利用して改造することにする。

毛胚 mao pai モーペイ (基本構造だけで何も設置していない) の状態

 この頃まだ常州の内装業者にはほとんど、日本の飲食店デザインの経験あるものがおらず、パートナーが業者を連れてくるも、話はややこしい。地方開業の当然の
障害。私が建築用語の中国語に長けていない。

賃貸契約と引き渡しを完了し、土地の図面をもらって、自分で無料CADで造作物、レイアウトなど、寸法をはめた図面を作り、業者にそれを渡して時短に成功。
設計費も省略。
業者と一緒に建材市場に行き、材料を選ぶ。 資金の節約。
地方特有の不便さはあるが、なんでもチャレンジしてみることができる。
50平米の上下2フロアで100平米。 
家賃は 40,000円以下 / 月(2010年スタート時) 。工事や許可申請のトラブルで数ヶ月トラブってもリスクが低いので心配が少ない。スタート3年は据え置きの家賃交渉、ゆっくり家賃が上がるように交渉。
(それでも2023年、営業終了時点で家賃は 160,000円 / 月ぐらいになった)

スタートの低さはあるが、中国の家賃上昇はリスクの定番。上海だったら大変。
成功しても、利益ないとか、引越しでリセットとか。
地方チャレンジする、理由でもある。


         次回  内装工事の様子を 常州居酒屋伝説。風天 (2) にて


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