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桜と嘘

 

嘘つきは嫌いって眉間に皺を寄せてた君が、最後の最期についた嘘、が、今も鼓膜と網膜に張り付いて、色褪せることを知らないから、困る。何処にも行かないよ、無邪気な笑顔が桜吹雪に隠されて、風がざあと森を撫ぜる、まだ咲かない桜の木の下で、嘘つきは君の方じゃないか、なんて、嘘でも言えなくて。

 

0:25pm

 

泣いてなんか、ないよ。




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