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狭所ドローン

2020年のプレスリリースから

2020年に入ってから狭所ドローンのプレスリリースが各社から出された。

1/ 三菱地所とアイロボティクスの倉庫な物流施設での活用 2020年3月

2/ 東京メトロと本郷飛行機の線路内狭所での活用 2020年2月

3/ 千葉県市川市の下水道設備でのLiberaware社ドローンの活用  2020年3月

4/ NSESの環境プラント施設で「ELIOS」による点検作業を実施 2020年2月

狭所といえば昨年まではFlyability社のELIOSが目立っていたがここにきて国内機体が存在感を出してきた。

なぜ狭所でドローン活用

点検用途でドローン活用したいとなるとき理由は大きく二つに分けられると思う。

1つは、点検コストが高い。東京メトロと本郷飛行機の事例は、鉄道の運行時間帯を気にしながら点検をする。必然的に夜間になるし安全面を考慮するため点検費用も効果になりがちである。

2つめは、そもそも点検が出来ていなかった。例えばプラントの配管の中などは人が入り込むスペースがなくそもそもどうなっているかを見ることが難しい。プラント設備は建設されて50年程経過するものも多い。
(余談だがプラントは経産省が運用ガイドラインを策定するなど産業としてドローン活用に積極的だ)

どんなドローンが活用されているのか

大きく分けて2つのタイプがある。

1つ目はゲージで守られているドローン。これはFlyabilityのELIOSが有名だ。
ELIOSの初号機では、すべてゲージで覆われていたためゲージが映像に映り込むという課題があったが"ELIOS 2"ではゲージがカメラに被らないよう工夫されている。2020年の経産省関連の実証実験でも採用されており注目度は高い。

冒頭紹介した本郷飛行機のドローンもゲージ型。こちらは動画があるのでご参考までに。

2つ目は200g未満の超小型ドローン。プラントの配管の中や天井裏などは狭所であり、そもそも入り込むのが難しい。そのためドローンを飛行させるとFPV (First Person View)、つまり目視外で飛行することが必要となる。2020年4月現在 航空法の規制で200g以上のドローンで目視外飛行を行う場合は申請が必要となる。一方で200g未満のドローンは申請の対象外。そのため安全性に十分な配慮しながらFPVで飛行出来るベンダーが出てきた。

冒頭紹介したLiberawareやアイロボティクスなどが有名である。

プラントの中や下水道の中、さらには橋の中などそもそも人が入るのが困難だったところでも活用可能性があ。ビジネスチャンスは大きいかなと思う。参考までにLiberawareの動画を紹介する。

何が課題か

冒頭のニュースにもある通りまだまだ各社実証実験の取り組みである。
ニュースを見る限りは機体でどこまでの映像、画像が取れるかを見てる段階だと推測する。
こういったドローンが活用される場所ではGPSが入らない。そしてLiberawareの動画にあるように同じような映像が続くため撮影される場所が難しいという問題もある。
ロボットそのものの性能だけでなく、撮影された成果物の加工も求められるフィールドでとても面白いと思う。

この領域は産業に特化しておりDJIなどのConsumer系のベンダーは出てこない。だからこそ日本発で世界へユースケースを発信していってほしい。

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