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人と違うことが「普通」である世界

From 古田優

あなたはの個性はなんですか?
人とは違う強みってなんですか?

今現在、面接でもそう聞かれることが当たり前になり、動画配信やSNSで他とは違う自分自身を表現する人が多くなりました。

私も今、他との違いを見出そうと様々な活動をしています。

スポーツライフデザイナーとして様々なスポーツの魅力を発信し、スポーツをビジネスの方からサポートしていくコンサルタントとしても活動。また、チュックボール日本代表選手というアスリートの一面もあります。

自分の個性は何かを考えている私ですが、実は違いがあることが怖かった時期があります。「個性なんていらない。”普通”の人間になりたい」なんて思っていました。

それはなぜか....


”LGBT”って知っていますか?

実は私はLGBTのT(トランスジェンダー)です。生まれた体は女ですが、心は男である状態です。

最近はこの言葉も一目見ただけで理解されるようになってきたと思います。
「僕も同じだよ」「自分の友達にもいるよ」っていう人も私の周りにも多いです。
それによって以前よりは生きやすい世の中にはなっていると感じています。

【そもそもLGBTとは?】
Lesbian(レズビアン):自分を女性であると自覚している人による、女性への同性愛者のこと。
Gay(ゲイ):自分を男性であると自覚している人による、男性への同性愛者のこと。
Bisexual(バイセクシュアル):男性女性の両性を愛することができる人のこと。
Transgender(トランスジェンダー):身体的な性別と心の性別が一致しない人のこと。

これらの頭文字をとってできた言葉である。

この4つは知ってるという人はたくさんいるでしょう。
しかしあくまでも自身の性別が「男」か「女」かに基づいているものです。中には「男でも女でもない」「誰も愛することができない」といった人もいます。

多様性という言葉が出てきたことで、LGBTの言葉の認知や受け入れが高まっていますが、実は今新たに生まれている言葉があります。

LGBTだけではない!

よく知っているLGBTだけでなく、そこにも当てはまらない人を示す言葉がたくさん出てきています。現在はその人たちも交えた言葉として、

LGBTQIA(+)、LGBTQ(+)、LGBTs

という言葉が誕生しています。

Q(クエスチョニング):自分の性別がわからない・意図的に決めていない・決まっていない人
Q(クィア ):LGBTQの「Q」がもつもう一つの意味。セクシュアルマイノリティの総称。
I(インターセックス)…生まれつき男女両方の身体的特徴を持つ人
A(アセクシュアル)…誰に対しても恋愛感情や性的欲求を抱かない人
Xジェンダー:男女どちらにも当てはまらない人や、性自認が男性・女性の間で揺れ動いている人
Pansexuall(パンセクシュアル):相手の性に関わらずどんな人でも愛することができる人。全性愛。

これだけのセクシュアリティがあります。(調べるともっと出てきますよ)
さらに自分の性自認や性的指向に関わらず、セクシュアルマイノリティに対してフレンドリーな人や差別をしない人、様々な活動を一緒にしてくれる人であるAlly(アライ)という存在もいます。

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私は大学生の時に調べた本には、世の中には男と女の人だけではなく「身体の性別×心の性別(自認している性)×恋愛対象」の何通りもの人間が存在していると書いてありました。

あなたの周りにも身近に存在していてもおかしくないんです。

今となっては認知度も上がり、それなりに同じ立場の人がいると多くの人が理解しているので「セクシャルマイノリティ=個性」とポジティブな風潮になっています。

私自身もトランスジェンダーである自分が1つの強み=個性としてポジティブに受け入れています。

しかし、ポジティブな個性として理解するには相当な時間がかかりました。

個性の違和感と価値観の変化

私が1番「?」を感じた瞬間は中学生の時です。

学校指定の制服があり、体育の授業は男女バラバラ。
(今思うとこの私がスカートを履いていたなんて...!なんか笑えますね!!笑)

当時は「なぜスカートを履かなくてはいけないのか」「なぜ、自分は男子と体育ができないのか」そんなところからずーっとモヤモヤを抱えて中学生活を送っていました。

しかし、人と違うかもしれないということから、1人になりたくない・嫌われたくないという思いの方が強く家族にも友達にも相談はしませんでした。

でも、苦しいのは変わらないわけで...常に何かもわからないものに怯えてるような感じでした。そんな暗闇の中にいるような自分はそのまま3年間過ごし、気づけば高校生に。

そこから私の人生は変わっていくことになるんです。


高校生になり、相変わらず制服はスカートでモヤモヤを抱えたままの学校生活。部活動は運動部だったので、体育や部活動を理由に学校ではジャージに着替えて過ごしてました。

そんなある時、部活動が一緒の友人に「ねえ、もしかして性同一性障害とかじゃないの?」って言われたんです。

もう10年ほど前の事なので記憶は微かではあるのですが...確かこんなことを言われました。
その時「性同一性障害ってなんだ?聞いたことはあるような気が...」その程度でした。

その発言をきっかけにネットで調べていくと、書かれていること全てが当てはまるんですよ。これはもしかして?と思い調べまくりましたね。

そこから気づいてくれた友人に今までのモヤモヤを全て話して、少し心が軽くなった気がしたんです。今思うと、この友人がいなかったらずっと苦しいままで過ごし、今の私にはならなかったでしょうね。ほんと感謝しかありません。

性同一性障害(トランスジェンダー)である私自身を受け入れてくれ、それが個性だと言ってくれました。

すごく嬉しかったです。
しかしその反面、体も男・心も男である普通の男性がいいのになぜ自分は人違うのかと責める自分もいました。
「自分は個性なんていらない。”普通”になりたい」

人と違うということがネガティブなものでしかなかったのです。

壁はたくさんありました。
・旅行や合宿等でのお風呂は別または1人だけ部屋のシャワー
・親へのカミングアウトはずっと言えずに21歳で親から話合いの場を設けられる
・就職活動ではメンズスーツで受け落とされることもしばしば
・恋愛のハードルの高さ
・どちらのトイレに入ればいいか迷う
などなど

人と違うことで「普通」の生活を送ることができない。恨みしかなかったです。

しかし、そんな想いを抱いていてもトランスジェンダーである古田優を受け入れてくれる人がたくさんいました。

普通ではない私を普通の友人として付き合ってくれる。
その事実が私を救ってくれ、人と違うことへの恨みも薄れていきました。


今となっては、ありのままの自分が個性であること。それがこの世界の普通である。と考えるようになりました。

大多数の人の中にいることが普通ではなく、みんなそれぞれ違いを持っていることが当たり前の世の中だよねってことです。

私はトランスジェンダーでアスリートでスポーツビジネスのコンサルタントで、多くのスポーツの魅力を伝えてる人であるということは「他とは違う自分」であり、そんな私は「普通」である。

今では自信を持って「あなたとは違う」ということを示しています。

トランスジェンダーの自分だからこそ

今私はスポーツを軸に活動しています。

なぜスポーツなのかは話せば長くなりますが...
トランスジェンダーである私が救われたのは「人」です。その人をたくさんつなげてくれたのが「スポーツ」だからです。

そのスポーツで今度は私が、悩みを抱えている人や人生ってつまらないと感じている人を笑顔にする人間になりたいのです。
実際の苦しい思いをしてきたからこそ・あなたの思いがわかるからこそ寄り添うことができる。救うことができると思っています。

人と違うこと=個性=普通

あなたがあなたでいることが世の中の普通である。
私はそう思います。


P.S.
今回は私の経験談と考えを記しています。LGBTの人全てがこうとは限りません。
もっと苦しい経験をしている人もいるでしょう。

少しでも私のこと・LGBTのことを知ってほしいという思いで書いてみました。
もしあなた自身が、またあなたの近しい人が同じ立場でしたら、この記事が少しでも救いになれれば嬉しいです。

参考文献
「JobRainbow」 https://jobrainbow.jp/magazine/

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