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雑記

幼い頃から本を読むことが大好きだった

国語や算数なども知らなかった当時、私は暇さえあれば絵本を読んでいた。お母さんに同じ本を何回も読ませて苦労させる程に読書が大好きだった。
お気に入りの絵本の題名やあらすじは今でも覚えている。言葉で紡がれる空想上の世界に浸れる時間は何よりも幸せで、心の支えだった。

小学生で小説を知り、文字だけの世界に魅力を感じた。当時私は1人で行動をすることが多く、休み時間や放課後によく図書室へ行ったものだ。
━━━私にとって読書は酸素を吸うのと一緒。出来ないと、私という存在がこの世界から消えてしまう気がした。


蝉の死骸と私の過去と

いつからだろう 私が本を定期的に読まなくなったのは。勉強や部活、更にはスマートフォンを持ち始めたことにより、私は私の中にあった言葉の世界を殺してしまった。呼吸が出来なくなってしまった。
あの頃の私は死んでしまった。

また1から、世界を創ってみようか。私は幼い頃に使っていた何百枚もの栞を探した。友人が型紙で作ってくれた栞、社会科見学で貰った花柄の栞、児童書に挟まっていたキャラクターの栞……
……結局1枚も見つからなかった。これから本屋で栞を買おうともあの頃には戻れない。そもそも何百枚もの栞を今見つけたところで1度死んでしまった私は帰って来ないのだ。


私が無くしたものは意外と大きなものだった。

誤解しないで欲しいのは、今も本が大好きだということだ。だけど酔い狂ったように読書をしていた幼い頃とは少し、いや随分と親しみがなくなった。

過去には戻れずとも酸欠気味の私に酸素を、言葉を贈ってあげよう。付箋を栞代わりにして、本を読み始める8月の終わりだった。

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