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テレワークはブルーカラーの能力格差も助長するのか?

会社がテレワークに移行してから、気になっている事があります。

「テレワークは個人のスキル差を、以前よりも鮮明に浮き立たせている。」

以前からメディアでは、テレワークによって不必要な人が炙りだされるという記事で溢れていましたが、これはホワイトカラーの話だとばかり思っていました。

事務系の職種の人は、例え目標を明示しても、上に行くほど目標を理解されにくく、成果が目に見えないので、働かなくても気づかれない人がいてもおかしくはないです。

まさに中小企業の社長なんかは、過去に作った販売のシステムを運用するだけで、ある程度の売上はたってしまうので、ホントは今やらなければ行けない仕事をサボっている可能性は大いにある訳です。

しかし、職人技能的でブルーカラー的なCGデザイナーという職種は、自分たちの成果が”デザイン”という形で見えています。
つまり、「やることはやっている」けど、以前よりも「生産性」に開きが出てきた訳です。

ここで、メディアの記事と違うのは、「働いていない」というよりは、「成果が出ていない」ということです。

「働いていない」のではなく、「空回り」ているイメージに近く、
やる気や勤勉さがある分、まだ改善の余地はあると感じています。

そもそも、ブルーカラー✕テレワークは中々ない組合わせだと思うので、まだ考察自体を見かけた事がありません。
この機会に問題点を正しく整理して、「より良い仕事環境を提供する」とともに、「成果が出ていない人」が、「より成果にコミットできる」ように出来ると良さそうです。

ただ今回は、「現状を正しく把握すること」「問題解決の一歩とする」ために、「どうやって改善していくか?」よりも、「なぜ、そうなってしまったのか?」原因考察をしてみようと思った次第。

今回のポイント画像2


◆仕事を進める人と停滞させる人


まずは完全テレワークに移行したあと、仕事の進行具合をベースに2つのグループに分類して、その特徴を洗い出してみた。
(仕事の量はテレワークに慣れる為にやや少なめに設定している。)

◆グループA
仕事のペースがテレワーク前と変わらない or 上がったグループ

◆グループB
仕事のペースが明らかにおちて、労働時間が5%以上伸びたグループ

◆グループA:特徴
・労働時間は以前のまま/労働時間は減っている(効率アップ)
・マイクロマネジメントしていないチームが多い
・会議がコンパクト
・コミュニケーションが盛んである
・納期を落とさない/調整がうまい
◆グループB:特徴
・労働時間があきらかに増えている(効率ダウン)
・マイクロマネジメントをしている
・会議が長く、アジェンダを共有していない
・一方向のコミュニケーションが多い
・以前から納期を落とすことがあった

※ちなみにうちの会社では、仕事のペース(効率)は男女差や既婚/未婚差との間に相関関係はあまりみられませんでした。

どうやら、テレワークによる能力格差(効率格差)の拡大は間違いなく存在しているようです。

◆考察1(偶発的支援について)


これはオフィスワークの時は、日常会話の中で、知らず知らずの内にグループAの人がグループBの人に解決のヒントを与えていて、テレワーク下では、この「偶発的支援」の機会が減ったことが原因なのでは推測できます。

・グループAはBに割いていた時間がなくなったので効率がアップした。
・グループBはAからのヘルプが減ったので、効率がダウンした。


両者とも意識していないので、グループAの人はグループBの人を助けている自覚は無いし、グループBの人はグループAの人に助けられている自覚がないない訳です。

つまり、グループBは進んでグループAに助けを求める事は無いし、
グループAはグループBに助言をしてあげたいとも思わない。

この結果、問題点が無視できないほど巨大化してから、はじめて両者とも本当の問題に気づくので、とれる解決方法がどんどん少なくなっていくという悪循環にはまっていきます。

そういえば、以前は雑談で、
「そういえば、あの件って進んでいるの?」とか
「あのスケジュールは、こっちから確認しなければいけなかったよね!」
とか雑談めいた話をしていた気がします。

ここから、多くのヒントが生まれ、タスク確認がされていたのかもしれません。テレワーク下で、この偶発性支援を生むシステムをどのように作っていくのかが、一つの大きな課題になりそうです。


◆考察2(問題解決フローについて)


次にBグループの人は問題が発生した時に、以下のような兆候がみられる事が多いです。

・そもそも問題点に気づいていない。(気づくのが遅い)
・問題を正しく把握しないまま、問題を解決しようとする

「仕事がうまくいってない事」を正しく理解していないのだと思います。

問題点に気付いていないデザイナーは、ほとんど経験が浅いデザイナーなので、ここでは問題点を正しく把握していない人について掘り下げてみます。

この人たちは、「問題解決の為に何をするべきか?」を順序立てて考えられていない事が多いです。

「どうやってその問題点を解決すればよいか?」の前に

「この問題は、ナゼ今解決すべきなのか?」
「この問題は、ナゼに自分が解決すべきなのか?」
「ナゼこの問題についての考察はこのように導き出されたのか?」


つまり、「HOW」の前に「WHY」を考えて、問題解決の重要度(イシュー度/価値)を高めていないのです。

簡単に例を挙げてみます。
【問題点(起こっている事象)・・・納期に間に合わない】

◆グループA
「納期に間に合わない」
↓(WHY)
「想定よりも多くの仕事内容だった」
↓(HOW)
「クライアントと相談して、仕事量を調整しよう」

◆グループB
「納期に間に合わない」
↓(HOW)
「間に合わせるために、働かねばっ!」

このようなイメージです。
『イシューからはじめよ』でいうところの「犬の道」まっしぐらです。(まさに大量の時間を使ってバリューをあげようとしている状態です。)

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◆最後に

この状況を改善するために、グループBの人たちが"問題点の正しい把握””重要度の検討”をテレワーク下で行えるようにするのが良いことは言うまでもないと思います。

そこで、解の質を高めることは一旦忘れて、ここをシステム化すること、つまり「フレームワークに当てはめると、なんとなく問題点の把握が出来るようになる」ようなシステムを考えてみようと思います。

雑談を設計するのがよいのか、マイクロマネジメントする方がよいのか。。。

とにかく、試してみるしかないですね。
長くなったので、このつづきは別の機会に。

それでは良い一日を☀。
ザッツ・オール👍

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