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管理職と管理職風のちがい

どのゲーム/CG会社でも、殆どの場合、職人的な仕事(デザイナー)よりも管理的な仕事(マネージャー)の方が待遇が良いと思う。もちろんこれは管理職の方が、より多くの利益を生み出している(関与している)事と、絶対数が少ない(希少性が高い)からに他ならない。

でも「自分は管理職(マネージャー)なので、デザイナーよりも高い評価をして欲しい」と願う職人(デザイナー)は一定数存在していて、実際はマネージャーの仕事をこなせてはいない。そして、例外なくそれを認識してもらうためには、かなりのカロリーを消費する。

ウチでは、管理職になりたいと願う人員がいれば、一度はチャンスは与える事にしているのだが、この中で激しいカロリー消費を伴う意思疎通が必要な人たちは、ほとんど全てのフローのスタート地点が自分自身である。

どうやらうちの会社において「マネージャーとはどういう仕事をする人か?」、「似たような仕事をしていてもデザイナー的な人と何が違うのか?」を明らかに出来ていないのが原因なのだろう。

そこで、うちの会社における「マネージャー」と「マネージャー風デザイナー(シニアリードデザイナー?)」の違いをきちんと言語化しておくことで、今後社員のさらなる飛躍につなげたいと思った次第。

前提


うちの会社において、デザインワーク(実務)をしているかどうかは、「マネージャー」「デザイナー」の違いではない。考え方や仕事に対する処理フローの違いで区別されるべきだと考えている。

極論マネージャでも、デザインをしたい時に自分で時間を調整し、デザイン業務をこなすことがあっても良いと思っている。
(マネジメント業務のボリュームを増してきて、デザイン業務をこなす時間がなくなってくる事がほとんどだが。。。)

あと、自分たちの持ち味を最大限活かすために、ウチではマネージャー、現場経験者達で構成されている。今後、自社の強みを正しく理解できる人がいれば、マネージャー選定に実務の経験はいらないのかもしれないが、今の所はこんな感じだ。


マネージャーとマネージャー風デザイナーの違い


◆マネージャー
自分1人では到達出来ない地点に、仲間の力を借りて到達する(到達しようとする)人たち。つまり自分1人で行くよりも、仲間がいた方が遠くに到達出来る人。

会社やクライアント、ユーザーが何を求めていて、その中で何を届けなければならないのか?から逆算して、今やるべき事を考えられる人。

いつでもどこでも、現状のフローを改良/改善して、より良いフローを構築する(付加価値をつける)ことで、自分(のチーム)と会社の価値を上げ続けることに貢献する(出来る)人。

◆マネージャー風デザイナー
自分のしたいこと/出来ることをベースにフローを構築する人。
仲間がいてもいなくても、到達地点に大きな差はない。

デザイナーの中でも業界歴がそれなりに長い人が多いので、色々な改善提案はしてくれるが、基本的に全て自分の方を向いていて、主に自分の見える所の現場改善をする人。

「この作業はめんどくさいので、自動化ツールを作って欲しい」「通勤が無いほうが楽だから、テレワークを続けるべきだ」のように、改善の入り口が自分の方を向いている事が多い。

ここで言っておきたいのは、自分の見える場所の改善が決して悪いわけではなく、何も言ってくれないことに比べれば1000倍素晴らしいと思う。

ただ、査定や待遇の面では、マネージャーとしての査定/待遇の基準ではなく、デザイナーのそれになってしまうだけだ。

でも根っこがデザイナーな人はこの事に気づいていない事が多い。
結果として、今できること、やりたいことをベースに考えてしまう。

きっと、いま既に自分ができる事をやり続ける事は、仕事をこなしている感(安心感)や自己肯定感が強く得られると思う。

でも、これってほんとに一時的なものだ。

変化出来る時に、きちんと変化に身を置かないと、一時的な満足感とトレードオフで将来の自分を置いてけぼりにしていることを忘れては駄目だ。

マネージャーとして、今よりも高い視座で仕事に取り組みたいのであれば、ぜひこれらを深く考えてみて欲しい。


最後に


フローはどうあれ、せっかくいろんな提案や改善をしてくれるのなら、今いる所から勇気を出して飛び出して、もう一段高い視座を持って仕事をしていってほしいと願う。

そして付加価値のあるチーム/仕事をつくり出し、
きちんと評価されるクリエイターを目指してほしい。

もちろん自分自身もそれを正しく評価できるよう
努力しなければいけない事を忘れないようにしなければ。。。

それでは良い一日を☀

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