ポエ文(ぶみ)その3

苦しみを肩代わりしてくれる秋が、好きだ。大気は重くうなだれ、地面はささくれ、ため息が肌を撫でた。秋だ。残光は息を潜め、路地裏の水たまりに忘却された。妙に人懐こいこの気温は、他人行儀の季節とは一線を画していた。人はわかり合えない生き物だって言うけど、人類全員不幸になったら笑い合えるのかなって考えてみたよ。たとえ諦念を帯びたそれだとしても。正しさの半径はぐるりと一周して0度に戻った。何も見えないようで、何かがあると探したくなる癖が僕の足をむずむずさせる。空回りのステップを積み重ねて空に上ってみる感覚。こんな日には絵を描こう。何のって、絵は絵だよ。

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