読了:「リーダーブルコード」回想する私と先生

ITエンジニアにとって必読本とよく挙げられる一冊である「リーダブルコード」。恥ずかしながらエンジニアとして5年目になりそうな私は今まで読んだことがありませんでした。
それについては軽い引け目は感じていて、ずっと積み本の一冊としてタワーの中に有り続けていたのですが、最近休日もパワーにあふれているので、えいやと読んでみました。以下に続く文章はただのポエムです。

勉強会やカンファレンスで積極的に情報を吸収しようとしてきた私にとって、第一部「表面上の改善」の体型だった名前の付け方やコメントの付け方こそ意外と新たな発見がありましたが、第二部「ループとロジックの単純化」や第三部「コードと再構成」のあたりは概ね実践している内容ばかりでした。

回想:記憶に残っている私と「先生」の話

では、私はなぜそれらが実践できるようになっていたのでしょう?その時心に浮かぶのは、私が「先生」と呼称する、私にとって2社目の会社の先輩の姿でした。
彼は表立って勉強会やカンファレンスに参加したりするようなタイプではありませんでしたが、社内では多くのサービス内部に関する知識を持ち、(ソシャゲの企画・運営・開発全てを行う会社だったので)非エンジニアからも「先生」と呼ばれていて、実装だけでなくエラーの追跡・解決やパフォーマンスの分析、サービスに投入するデータのアドバイスなどなどを行っていました。私も当時サービスの内部ロジックの振る舞いについて何度も助言を頂いたりして感謝しています。
しかし、私にとってはそれ以上に、エンジニアとして、アーキテクトとして実装についてディスカッションできる人がいる!それも、隣の席に!という体験に感動しました。これはWebエンジニア業を初めて2〜3年目、2社目(1社目はSESだったので体感的には3社目なのですが)の会社にして初めてのことでした。
(ちなみにこの席配置については私がサービスの知識について経験豊富なエンジニアをメンターとして配置してほしいと要望したことによるものです。なお、当時の会社は吸収合併されて名前としては無くなってしまいました。)

本書を読みながら、具体的なコードを思い出せずとも、口頭やPRのレビューで「より良い実装」「より良い設計」について議論した日々を思い出します。それらは確実に「今の私」を良いエンジニアたらしめている血肉となっているのでしょう。感謝に絶えません。

願わくばかの先生にこの感謝が届きますように。

本書の感想

ポエム記事で私の書きたいことは概ね書ききってしまったのですが、一応本書の感想も書いておくと、普通に良書ですね。ITエンジニアなら一度は目を通すべきとの評も納得の一冊です。

中堅エンジニアの私にとっては一冊を通しておやつみたいに美味しい本でしたね。ジュニアなエンジニアにとっては一冊全部を咀嚼するのは大変かもしれませんが、第一部を実践するだけで見違えると思います。

読んでいる最中にピックアップしたかったことはこのツイートに全部ぶら下げています。

ところで最後の「分/時間カウンタを設計・実装する」は本当にプロダクションコードなんでしょうか?いえ、実用に耐えないどころかバリバリイケてるコードだと思うのですが、そこに至るまでの素朴な実装あたりからの変遷が養殖コードっぽくて、つい。

また折に触れて読み返したいと思う一冊でした。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?