#115 [視覚芸術] この礼拝堂を見ずして、努力というものを語るな。
第17週 第3日(水)視覚芸術「システィナ礼拝堂」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は視覚芸術「システィナ礼拝堂」です。
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本の要約
ヴァチカン宮殿にあるシスティナ礼拝堂は、ミケランジェロ(1475~1564)が1508年から1512年にかけて描いた天井画で最も知られている。
「システィナ」という言葉は、もともとこの礼拝堂を建て直させたローマ教皇シクストゥス4世に由来する。建物そのものは、旧約聖書に記されたソロモン王の神殿の大きさを基準として、1475年から1483年に建設された。
1507年、教皇ユリウス二世はミケランジェロに、天井画を新たに描くよう依頼した。もともと天井のヴォールト(アーチ型の部分)には、ピエルマッテオ・ダメリアの手になる星空の絵が描かれていた。
天井画を描いた経験がほとんどなかったミケランジェロだが、述べ300以上の人物を登場させて、人類の創造・堕落・救済を描いた壮大な絵物語を見事に完成させた。
■天井画の特徴
・天井中央部には、創世記から取られた9つの場面が順に描かれている。
・最初の3場面は天地創造
・次の3場面はアダムとイブの物語
・最後の3枚がノアの物語になっている。
・場面と場面の間には区切りとして柱のような構造物と、そこに座る「イニューディ」(青年裸体像)が描かれている。
・この裸体像は、天井全体に規則的に配置られたブロンズ色のメダイヨン(円形模様)を支えている。
・メダイヨンの内側には聖書中の物語が描かれている。
・部屋の四隅にあるヴォールトには、イスラエル人の救済についての場面が描かれている。
・天井の最下層部には、旧約聖書の大預言者七人と、異教の巫女(ローマ神話の女性預言者で、のちにキリスト教に取り入れられた)五人が、中央に物語を取り囲むようにして座っている。
・彼らの下には、キリストの祖先たちを描いた16のリュネット(半円壁)がある。
・ミケランジェロは、礼拝堂で枢機卿たちが立つ位置の真上に神が来るよう計算して描いた。
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ミケランジェロの代表作
ミケランジェロは自分自身も彫像家として売れたかった言っているように、大体の人は「ダビデ像」が代表作と思うだろう。
確かに有名だし、私自身もそう思う。
だけど、真の最高傑作はもしかしたらシスティナ礼拝堂の天井画かもしれない。
あの絵をみたら、そう思わざるを得ない。
一度は生で見てみたいなぁ
システィナ礼拝堂はもはや博物館
ミケランジェロの他にも、システィナ礼拝堂の壁にはたくさんの有名画家が参加している。
■室内の壁
・サンドロ・ボッティチェリ(1445~1510)
・ピエトロ・ペルジーノ(1450~1523)
・ルカ・シニョレッリ(1445~1523)
■タペストリー(今はない)
・ラファエロ(1483~1520)
これもローマ教皇による財政が為せる技。複雑だけど後世に素晴らしい建物を残したのも事実。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
18世紀ドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテはイタリア旅行中に天井画を見て感動し、こう記している。
「システィナ礼拝堂を見ずして、ひとりの人間がどれほどのことを成し遂げられるかを、明瞭に思い描くことはできない」