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蛍光灯探し

今では絶滅危惧種の昔ながら商店街。

野菜は八百屋、魚は魚屋、豆腐と豆腐屋、肉は肉屋、お酒は酒屋。

私が子供の頃はまだそんな時代でした。それぞれのお店に目利きのプロが居て、あ〜でもない、こ〜でもないと話をしつつ買い物を楽しみ、お互いの生存確認もしつつ‥今考えればそれはそれで楽しい時代でした。

今は‥そんな事は面倒で、効率やポイントを重視する傾向にあると思います。それはそれで‥ですが、お店の人とちょっとした話をするのは楽しいです。

洗面所の蛍光灯が切れてしまい、近所の商店街へ。

商店街と言っても‥そこまで昭和な面影は残っていませんが、八百屋と肉屋は生存しています。去年から続く騒動の影響で、個人経営の飲食店や酒屋さんがバタバタと潰れ、跡地にはどんどんチェーン店が入り込んでいます。

一軒ある電気屋へ行くと定休日。ちょっと大きめのスーパーの雑貨コーナーには探している蛍光灯はありませんでした。

最近、八百屋の自家製ぬか漬けにハマっています。いつもの中華屋さんに以前聞いたら「あそこは古くからやっているしね〜。ぬか漬けも人気だよ〜」と。

蛍光灯探しの流れでぬか漬けを買いに行こうと思っていたので、八百屋のご主人に「あの〜この辺で蛍光灯を売っている電気屋さんとかってありますか?〇〇商店街のXXさんは今日定休日だったもので」と。「だったら、線路を超えて一本目を右に入って行くとΔΔ電気というお店がありますよ〜。いい〜蛍光灯売っていますよ(笑)」と教えてもらえました。やはり地元の人は心強いです。ぬか漬けを買い「ありがとうございます!行ってみます」

汗だくになりながら歩いているとΔΔ電気の看板が見えてきました。所謂”街の電気屋さん”。ふと‥八百屋のご主人の言葉がリフレインしてきました。

「いい〜蛍光灯売っていますよ(笑)」

電気屋に入り、お店の方に探している型とワット数を伝え無事に購入できましたが、「いい蛍光灯って、なんの事だったのかな(苦笑)」と。

なんだか‥ほっこりしました。

確かに、その電気屋で買った蛍光灯には”プレミア”と書いてありました。

いい蛍光灯です。

そんな余談でした。


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