シカによる森林のひがい
長年一緒に仕事をしてもらっているKリーダーは、高校生になるまで電車に乗る機会も少ない福井の田舎で育った人で、今も定期的に自然に浸る時間がないと生きづらくなる人です。
そんなKリーダーは、5月のゴールデンウィークになると雪で倒れた杉の木を起こす、いわゆる「杉起こし」のために毎年実家に帰ります。
途切れる年はありません。
そして雪解けの山の御馳走、こごみ、タラの芽、ウド等の山菜を送ってくれます。
今年の夏、そのKリーダーの実家の杉が、8割シカの被害でダメになりました。
Kリーダーのおじいさんが世話した樹齢100年の太い杉も、Kリーダーが子供の頃に植えられたその半分くらいの太さの杉も、みんな根元の樹皮が食べられました。
そのため、水が汲み上げられず、そのうち枯れるのだそうです。
山の仕事は長い年月をかけて世代を超えて引き継がれる仕事です。
そのように過ごされたKリーダーとご家族が、被害を目にする気持ちを思うと心が痛みます。
杉は枯れていくけど、何年もかけて山を愛し木を育てきた時間は美しくて、枯れた杉と一緒に新しく生まれる命を育んでくれると思いたいです。
そして木で作られたもの、大切に使いたいと思います。
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