見出し画像

日本人は大人しく和食を食え

食事の内容に四苦八苦する人間は案外多いものだと思います。
女性であれば美容のため、病気の方やお年を召した方は健康のため、ボディービルダーは筋肉を大きくするため、様々な人が様々な目的のために一度は食事について考えることがあると思います。

今回は健康のための食事のヒントを提供できたらと思います。

ひと昔前にダイエットの手法としてバナナダイエットが流行りました。
バナナだけでなく、肉、キュウリ、豆腐、リンゴ、果てにはチョコレートなど、ふざけているとしか思えない内容ですが、これらばかりを食べる単品ダイエットが流行りたくさんの書籍や記事や番組が出されていました。
これはさすがにおかしい。と、愚かな世間も気づき始めて、現在は栄養バランスを考えた食事をしようという流れに移行しつつあります。
炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、その他栄養素をバランスよくとるのが最適だという事です。
なるほど、確かにそれらしい。
『人間にはそれぞれの栄養素に対し最適な量があり、最適な量を取れば健康になれる。』反論のしようもない気がする。
実際に私はこの考えに基づいて、数年間生活していたことがあります。
その頃はボディービルダーを目指していたので徹底した食事管理をしていました。
毎日できる限り同じ量の炭水化物、タンパク質、脂質を取り、野菜も食べて、足りない栄養素はサプリメントで補う生活。
理論上・科学的に問題のない生活のはずでした。
しかしこんな記事を書いているという事でお分かりの通り、結果は失敗です。
筋肉は確かにつきました。何がダメだったかというと、慢性的に疲労が取れず、精神を病むことになりました。(精神と食事と、関係ないだろうという方もいるかもしれませんが、この点についてはまた別で記事を書くと思います。)
健康を失ったという事です。
結果として少なくとも数年はスポーツから引退することとなりました。

引退してからも健康を取り戻すためにいろいろと食事について考えていました。いろいろと本を読み漁っているうちに、「粗食のすすめ」という本に出会います。
簡単に内容をまとめると「栄養バランスなんか考えずに、自分の先祖が代々食べてきたようなものを食べろ」という内容になります。
日本人なら米に味噌汁に魚、漬物の和食。ドイツ人なら、ポテトやソーセージやハム。イヌイットであれば、アザラシの肉。これを食べていればよいという事です。
この理由についても的確に述べられていました。
大事なのは「必要な栄養素の量や消化能力は人種や個人によって違う」という事です。
先に述べた「人間にはそれぞれの栄養素に対し最適な量があり、最適な量を取れば健康になれる。」という理屈の穴は、個人にとって必要な栄養素の量はわかりようがないし、消化能力にも違いがあるから吸収される栄養素の量はわからないから、実践のしようがないという事にあります。

それなら何をやったって仕方ないと思うかもしれませんが、できるだけ理想に近づく方法があります。それが先祖が食べてきたものを食べることです。
なぜかといえば、消化能力や必要な栄養素というのは数世代で変わるようなものではなく、何千年もかかるものだからです。
生のりを消化できるのが日本人だけというのは有名な話です。
また、日本人のほとんどは牛乳をうまく消化できていないのも有名な話です。
こういった違いは、間違いなく研究されていない他のあらゆる食べ物にも存在すると考えられます。それをいちいち調べて、日本人に、自分に合ったものしか食べないというのは無理な話ですが、実は調べる必要はありません。
なぜなら、先祖がずっと食べてきた食べ物には大抵適応しているからです。

日本人が昔に食べていたものは何でしょうか。
第一は米です。正確には白米が食べられるようになったのは最近であるため、玄米やひえやあわなどの雑穀を混ぜたものが主食となっていたはずです。一昔前には「白米を食べると馬鹿になる」というくだらない説が流れ、今は「白米は血糖値を上げやすいから太る」などという説が流れています。
接客をやっているとわかることですが、少なくとも日本人は白米を食べる人間よりパンや麺類を食べる人間のほうがはるかに太っています。
白米が多少血糖値を上げやすいとしても、小麦やその他の炭水化物に比べれば遥かにマシです。
第二に発酵食品です。手軽なのは味噌と納豆になるでしょうか。
味噌汁の塩分を気にする人も多いと思いますが、5杯も10杯も飲まなければ問題になることはないでしょう。そもそも塩分の基準も当てになるかわからないのですから、気にしすぎる必要はありません。
日本人は昔から塩辛い味噌汁や漬物で、できるだけ多くの米をかき込むような生活を続けてきました。柔道や相撲で活躍する選手たちがタンパク質を大して摂らずに、ひたすら米をかき込むのをみて嘲笑してしまう現代思想かぶれのアスリートは多いと思いますが、実際あの食事は理に適っているといえます。栄養バランスでしか考えられない人間は、二流三流なのです。
第三に魚と漬物です。
日本人は昔から魚をたんぱく源にしてきました。
豚肉や牛肉をありがたがって食べ始めたのは明治以降、欧米化が進んだごく最近のことです。先に紹介した本が理に適った和食のことを「粗食」と題しているのは、欧米化によって入ってきたパンや肉など、外国から入ってきた食事をありがたがって食べ始めて本来の和食を粗末にした現代日本人への皮肉なのだと思います。
これらの食べ物について栄養価がどう優れているとか述べることもできるのですが、それはこの記事の本意から逸れることなので、興味があればぜひご自分で調べてみていただけたらと思います。

この本の通り一日三食、米とみそ汁中心の食事にしてから劇的に生活が楽になりました。
それまでは人と話すのも億劫なほど体調が悪かったのが、社会生活をぎりぎり遅れるくらいには回復しました。
これは完全に私の感想ですが、やはりタンパク質の摂りすぎと摂取源がよくなかったのだろうと思います。以前の私は鶏肉とプロテインを中心にタンパク質を摂取していました。
タンパク質の吸収にはかなりエネルギーを使います。特に日本人の私にとって肉を消化するのはかなりの大仕事だったのだと思います。
プロテインにしても、安いプロテインには日本人に消化の難しい成分が入っていて体調を崩す人もいます。私もそうでした。高いグラスフェッドのアイソレートプロテインならいいかというと、やはりそうでもないらしいというのが私の結論でした。

疲れてきたのでこの記事はここまでにしたいと思います。
食事に迷っていろいろと迷走している方の助けになれたのであれば、
幸いです。
日本男児は大人しく米とみそ汁を食べましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?