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【偏愛土木写真0016】東洋一のアーチ橋と呼ばれた橋「青雲橋」

 このコーナーでは、土木写真部の部員が一押しの土木構造物やお気に入りの写真をご紹介します。
 第16回は熊本県熊本市から宮崎県延岡市に至る一般国道218号に架かる「青雲橋せいうんきょう(宮崎県日之影町)」です。

 宮崎県北部を東西に流れる清流「五ヶ瀬川」の支川、日之影川に架かる「青雲橋」は中央径間がスパンドレルブレースドアーチ、側径間が2径間連続鈑桁及び単純合成鈑桁からなる橋長410mの長大橋です。 

 水面から橋面までの高さ137mは、建設当時の国道橋としては国内最大であり、「東洋一のアーチ橋」と呼ばれました
 橋面から下を覗くと町並みがこんなにも小さく見えます。

 1974年(昭和49年)7月に下部工の工事に着手し、すべての工事が完成したのが1984年(昭和59年)11月ですから、実に10年以上の歳月を費やして作られたことになります。

 五ヶ瀬川沿いを走る旧国道のバイパスの一部として整備された青雲橋の開通により、移動時間は大幅に短縮され、住民の皆さんの利便性の向上のみならず、物流の効率化など地域経済の発展にも大きく寄与しています。


  青雲橋の真下を流れる日之影川では、日之影町商工会青年部の皆さんが子どもたちの健やかな成長と町の活性化を目的に、1985(昭和60)年から毎年、4月中旬から5月末頃に掛けて、鯉のぼりを掲げる取組みを行っています。

 大小約400匹の色鮮やかなこいのぼりが泳ぐ姿は、たいへん見応えがありますよ。皆さんもぜひ足を運んでみてください。

※こちらの動画もぜひご覧ください。
「日本香堂(東京都中央区)」公認 青雲橋CM「コロナに負けるな」編


構造概要
所在地 宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折
形 式 中央径間 鋼上路式スパンドレルブレースドアーチ
               側 径 間  2径間連続鈑桁、単純合成鈑桁
橋 長 410.0m
完成年 1984年

青雲橋の位置


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写真・文:岡部 章(@keikansan) 土木写真部長
 1992年に宮崎県庁に入庁。瓜田ダム建設工事事務所での勤務を皮切りに、県内各地で土木工事の調査・設計・監督業務に携わる。
 土木構造物を世界にただ一つのオーダーメイドの作品と捉え、その魅力をより多くの人に伝えようと、2014年に「土木写真部」を立ち上げる。
 ライフワークは土木広報と景観まちづくり。宮崎県高岡土木事務所工務課長、日本ダム協会認定ダムマイスター