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結紀はるか
2018年2月22日 20:39
空気が揺れた。丸くなったまま片目だけ開けるとご主人が炬燵から這い出てきた。ようやく活動を始める気になったのかと成り行きを見守っていると、四つん這いのままぼくの所に来た。「寒くて動きたくないよー」何とも情けない声をあげながら、ぼくとストーブの間に割り込んだ。暖かい風が遮られ、抗議の意をこめて一声鳴く。けれどもご主人は聞こえていないのか、動く気配はない。それどころか僕の背中に顔を埋め出した。どう