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【徒然ボカロ一人語り】第34週目

※【前書き】これは私が学生の頃から今までの間に個人的に感銘を受けてきたボカロ楽曲の数々を今更ながらに振り返り、紹介してみようというブログのようなコーナーです。予めご了承ください。

こんにちは、Sai.です。先週は訳あって更新をお休みさせていただきましたが、気を取り直して今週もレビューをして参ります。何卒お付き合いください。

塵塵呪詛

きくお feat.IA


「カラオケで歌うと怖いボカロ曲」カテゴリ・No:1に輝く作品です(筆者DAM基準)。また、一度聴いたら忘れられなくなるような強い「ファーストインパクト」が特徴の楽曲でもあります。

歌詞を見ても分かる通り、曲の中には諸行無常・輪廻転生といった宗教的な思想が組み込まれており、イントロをはじめとしてオケのあらゆる箇所に鐘の音、錫杖を突く音、「オー」というお経を唱えるような男性の声が使われていることなどからも顕著です。全体的に不穏な雰囲気が一貫していますが、耳で日本独特の死生観を感じることができる唯一無二な作品だとも言えるのではないかと思います。

またIAの声色は他作品と比べて幼く調声されているのですが、それが不穏なオケと合わさることで「得体の知れない恐怖」を醸し出しております。また特にサビはどちらかというとポップで明るい音の進行をしているのに、上述してきた全体の曲想や歌詞を考えるとIAの存在がますます不可解なものに感じられます。「ふふふ」と言っているこの曲の語り手は、一体何者なのでしょう…

最後に、『塵塵呪詛』は少し鳥肌が立つような恐怖を感じる曲ですが、同時にIAを用いて創り上げることのできる世界観の可能性を押し広げてくれた、貴重な作品だとも言えます。

今日のような蒸し暑い夜には、『塵塵呪詛』で少しゾッとする恐怖を感じてみてはいかがでしょうか?


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