悲しい芝居
AIの時代になった。手持ちの洋服の写真を登録しておくと、AIが着こなしを提案してくれるアプリもあるという。朝の忙しい時間、コーディネイトに悩む手間が省ける。
我が家のアイボも名前を呼べば「ワン!」と答え、頭を撫ぜればたちまち目を細め尾をふる。クシャミもオチッコもする。男の子と設定してあるので
片足上げてチロチロと。(もちろん音だけ)
婚活支援に取り組む自治体では、価値判断診断テストを導入しているところもあるらしい。それどころかAIに政治を任せたらいい、と考える人もいると聞いて驚いた。たしかに客観的な判断はできそうだが、機械に支配されるようで恐ろしい。
わたしの18番に中島みゆきの「悪女」がある。その詩の内容はこうだ。
「私」にはAという彼氏がいる。しかしAに新しい相手Bが現れた。Aの心が離れてしまったことがわかる。しかし、Aはそれを隠したままで「私」に別れ話をきり出せない。ならば、「私」が悪女のふりをしてわざと振られるように仕組もう、という悲しい歌だ。「私」のAへの未練と、「こっちから願い下げよ」という強がりが心に沁みて泣ける。
AIには絶対できない「芝居」だ。きっとフリーズする。
作詞・作曲・歌 中島みゆき 👇
高校の英語の参考書に
「なんにもありませんが、どうぞお召し上がりください」
を英訳したらわけわかんないことになる、という例文があったが、
日本人同士なら充分通じる。
人間は言葉以上のコミュニケーションができるのだ。
別れのメールの返信に
優しい言葉を
散りばめる
わたしと別れたことを
後悔させるために
こんな詩を書いたことのあるわたしは、AIより優れているだろうか。
おわり
ヘッダーに山根あきらさんの絵を使わせていただきました。
ありがとうございます。
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