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俳句3句(落ち葉・冬の風・返り花)

担がれて介護浴槽落ち葉ふむ
かつがれてかいごよくそうおちばふむ

私の住むマンションに介護浴槽が運び込まれるのを
時々見かけます。ヘルパーさんが二つ折りの浴槽を担いで
街路樹の落ち葉を踏んで、マンションに入って来る。
重そうだな、でもこういう方がいて助かるな、と感謝の会釈をしています。

列をなす僧衣の脛に冬の風
れつをなすそういのすねにふゆのかぜ

ドンドンと音がするので窓から見ると、お坊さんがうちわ太鼓を
たたきながら列を作って通り過ぎていきます。墨染の僧衣、
脛は丸出しで寒そう・・・
修行中なんだなぁ、と眺めました。

西行の筆のかすれや返り花
さいぎょうのふでのかすれやかえりはな

「返り花」とは、十一月ころの暖かい日に、桜などが時ならぬ
花を咲かせること。今詠むにはちょっと遅いかな😅
上野毛の五島美術館に「西行展」を見に行ってきました。大急ぎでしたが。
西行と言えば
「願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ」ですね。
西行の自筆の書、思いのほか文字が細く、優雅でした。
美術館の裏は広い日本庭園、桜の返り花が咲いていそう・・・
西行に触れたばかりでまだ花の名残が心にあったので
そんな気がしたのです。

コメント感想何でもお待ちしています。😊

          おわり


西行の歌


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