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今さら聞けない、たんぱく質のこと

筋肉を大きくするために、欠かすことのできない大事な栄養素といえば、「たんぱく質」ですよね。

最近では、たんぱく質の必要性が広まり、コンビニなどで手軽に摂れる食品が増えてきているので、トレーニーには嬉しい限りです。

今回は、分かっているけど、もう一度「たんぱく質」について詳しく説明していきたと思います。

たんぱく質が作るのは、筋肉だけじゃない

たんぱく質体

私たちの体の約60%は水分で出来ています。

この次に多いのが約20%を占めるといわれている「たんぱく質」なのです。

「たんぱく質=筋肉」とイメージが強いですが、実は筋肉以外にも心臓や脳といった臓器や、肌、髪の毛、爪、血液、骨など、体に必要なものほぼすべてに関わってくる重要な栄養素なのです。

たんぱく質不足が引き起こすもの

足りなくなると

体の重要な部分に必要な栄養素なので、不足してしまうと、体に様々な不調を引き起こします。

・筋肉の分解(失ってしまう)
・肌荒れ
・髪の毛がボサボサになる
・爪が割れやすくなる
・思考力や集中力が低下

特に、トレーニーたちがもっとも恐れているのが、せっかく作ってきた筋肉が失われてしまうことじゃないでしょうか?

なぜ筋肉が失ってしまうのでしょうか?

筋肉の最小単位である筋原線維も、アクチンとミオシンという筋たんぱく質からできています。

つまり、筋肉を増やすことは、筋たんぱく質を増やすということと同じことになります。

この筋たんぱく質は24時間、いつも合成と分解を繰り返しています。筋肉が維持できているのは、この合成と分解の量のバランスが釣り合っているからです。

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しかし、たんぱく質が不足してしまうと、合成が追い付くことができずに、分解が勝ってしまうのです。

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トレーニーのように、筋肉を大きくするためには、合成量を増やし、分解量をなるべく少なくすることが必要です。

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たんぱく質はどうやって筋肉まで栄養を運んでいるのか?

たんぱく質の話と切ってもきれないのが、「アミノ酸」です。

「アミノ酸」は簡単に言うと、たんぱく質を細かく分解し、一番細かくしたものです。アミノ酸が2個以上結合した状態を「ペプチド」と言います。

このように、食べ物からたんぱく質を吸収した場合、一度、「アミノ酸」まで分解された後、改めて、結合し体を作るのです。

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例えば、ステーキ(たんぱく質)を食べた場合 → 胃で消化酵素によって、ポリペプチドに分解 → 十二指腸で膵液の分解酵素でオリゴペプチドに分解 → 小腸でアミノ酸まで分解し、吸収 → 肝臓で貯蔵 → 筋肉にアミノ酸が行き、肥大化という流れになります。


必要なたんぱく質の摂取量とは?

たんぱく質が私たちの体づくりに欠かせないことは分かりましたが、どのくらいの量を摂取したらいいのでしょうか?

国際スポーツ栄養学会議(ISSN)では、下記のように取ることが推奨されています。

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年齢や性別ではなく、体の運動レベルによって必要なたんぱく質の量が変わってきます。

現在の研究結果では、激しく体を動かすアスリートだとしても、2.2g/1kgを上限としています。これ以上の安全性がまだ確認できていないためです。

また、ボディビル、フィジーク、ビキニなど、たんぱく質だけでなく、質、炭水化物も考慮した、摂取目標量の計算の仕方は、こちらをご参考ください。


たんぱく質に必要な質とは?

ただ単にたんぱく質を取ればいいわけではありません。

たんぱく質には「量」とは別に「質」があります。

自然界には数百種類のアミノ酸が存在していますが、私たちの体を作るアミノ酸はそのうち、わずか20種類です。

20種類のアミノ酸のうち、11種類は体内でつくることが出来るのですが、残りの9種類は体で作ることができないため、必ず食事から摂る必要があります。加えて、この9種類のうちどれ1つ欠けても十分な体が作られないのです。

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この9種類のすべてのアミノ酸をバランス良く含む食品 = 良質なたんぱく質なのです。

これをスコア化したのが「アミノ酸スコア」(最大値100)という指標です。

最近では、アミノ酸スコアに消化・吸収も考慮したPDCAAS(たんぱく質消化吸収率補正アミノ酸スコア)やより細かく評価したDIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)などがありますが、個人的には「アミノ酸スコア」を知っておけば十分かと思います。

代表的な食品とアミノ酸スコアの図がこちらになります。

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これらの食品をバランス良く取ることが、体をつくるうえで重要になっています。

食品からとるのが難し場合は、プロテインパウダーを活用

しかし、食品だけでたんぱく質を摂るのは、かなり大変です。そこで活用できるのが、プロテインパウダーです。

今では、たくさんのメーカーから販売されているので、種類が多く迷ってしまうかもしれません。

プロテインは大きく分けて、このようになっています。

ホエイプロテイン:牛乳に含まれるたんぱく質の約20%。筋肉のエネルギー源となるBCAAが豊富。消化吸収が早く、利用効率に優れている。
カゼインプロテイン:牛乳に含まれるたんぱく質の約80%。ホエイプロテインに比べて吸収が遅く、持続性がある。
ソイプロテイン:大豆を原料とした植物性のプロテイン。分解・吸収に時間がかかるため、就寝前やアミノ酸濃度を持続したい方におすすめ。
エッグプロテイン:卵の卵白を使用したプロテイン。ホエイプロテインを飲むとお腹の調子が悪くなってしまう人におすすめ。BCAAも豊富に含まれています。

たんぱく質の取り方

たんぱく質もただ摂ればいいだけでなく、より効果的に筋肥大を目指すには、食べるコツがあります。

1) ゴールデンタイムはトレーニング後24時間

一般的によく聞くのは、トレーニング後1~2時間以内がゴールデンタイムと言われ、そのタイミングで消化・吸収の早いホエイプロテインを摂っている人も多いと思います。

しかし、最新のマクマスター大学のバードらによる研究によると、トレーニング後は少なくとも24時間は筋肉の合成感度が上昇することです。

つまり、トレーニング後のすぐのたんぱく質摂取だけでなく、その後まる1日、高たんぱく質の食事を心がけのがいいでしょう。

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2) たんぱく質は1回にドカっと、ではなく小分けに摂取

お腹が空いたから、トレーニング後はとにかくたんぱく質をたくさん摂りたいこともあると思いますが、一度にたくさんのたんぱく質を摂取しても体内で吸収しきれないため、無駄になってしまいます。

マクマスター大学のモーリトンらの研究によると、1食あたり約27gのたんぱく質を朝食、昼食、夕食、就寝前の4回に分けるといいと報告しています。

※ただし、必要量はトレーニング内容や年齢によって変わります。

まとめ

1) たんぱく質は筋肉だけでなく、髪や肌や骨、爪など体のほぼすべてを作る大事な栄養素。

2) 筋肉の肥大化を目指すなら、1.5g ~2g / 1kg のたんぱく質を摂ること

3) アミノ酸スコア100の質の良い食品、食事で難しい場合は、プロテインも

4) トレ後、24時間の食事に気を付ける+たんぱく質は1日4回に分けて

このNoteで少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。




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