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【2分漫才】 漫才弁



A「俺ちょっとやってみたいドラマのシーンがあって」

B「やりたいシーン?」

A「銀行強盗役で、『動くな!この鞄にありったけの金を詰めろ!』みたいなシーン演じてみたいねん」

B「ほんとに?」

A「ほんまほんま。日常生活でさぁ、そんなおっきい声出したりとかそれこそ犯罪犯すなんて絶対出来へんやんか、だからそういう悪い奴の芝居をちょっとここでやってみたいねん」

B「ほんとにやりたいの?」

A「いやだからほんまにやりたいねんて」

B「『はぁーあ、二十代のうちに、英会話でも習っときたいなぁー』くらいのやりたいじゃない?」

A「ぜんっぜんちゃう。俺別に英語使う機会無いし、日常会話レベルくらいやったら習わんでも出来ると思うしな」

B「マジで?え、お前既に英語出来んの!?」

A「いやいやそんな粒立てんな、多少やから」

B「いやすごいってお前!だって標準語使えて関西弁も行けて、英語弁も行けるってことやろ!?」

A「英語弁ってなんやねん。」

B「え、お前大学の第二外国語って何取ってた?」

A「大学…の、は、中国やなぁ」

B「お前中国弁も行けんの!?」

A「中国語な?中国弁やと山口県とか中国地方の言葉みたいになってまうから」

B「中国弁行けるんか」

A「もういい俺が折れるわ、中国弁な?中国弁はでも今何も覚えてへんから」

B「えぇ…」

A「何でショックやねんそんなもんやろ第二外国語なんて、あと中国語が中国弁なら英語は英弁だろ合わせろ気持ち悪い」

B「めっちゃツッコむなぁお前、え?漫才弁習ったん?」

A「何やねん漫才弁って!漫才弁は関西弁やろ!」

B「おぉーい漫才弁出てるねぇー♪え、じゃあ、英弁少なめ中国弁無しの、漫才弁が関西弁多めってこと?」

A「家系ラーメンか」

B「たとえツッコミ漫才弁ね?」

A「それやめろさっきから!ちゃうねん待ってくれ、俺な?『この鞄にありったけの金を詰めろ!!』みたいなシーンをやりたいねんて!」

B「犯罪弁使いたいってこと?」

A「何やねん犯罪弁って!お芝居だからやりたいのは!せめてお芝居弁っていうてくれ」

B「お芝居弁かぁ…え?お芝居弁は標準弁…?」

A「…んまぁ基本そうなんじゃない?」

B「漫才弁は関西弁なのに?」

A「それは別だから漫才とお芝居は」

B「え、犯罪弁が標準弁のお芝居弁だから漫才弁は関西弁だけど漫才中のお芝居弁は標準弁ってこと?」

A「うーーーるせえよ!頭おかしくなるわ!」

B「え、それは標準弁の漫才弁?」

A「もういいもういい!!俺勝手にやりたいシーンやってお客さんに見てもらうから、お前も突っ立って見とけ!『動くな!少しでも動いたら撃つぞ?おい!そこの女!この鞄に銀行のありったけの金を詰めろ!』」

B「Sorry, I don't understand Japanese.」

A「いや英語喋るんかいもうええわ」


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