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鮮魚部・渡部の「美味しいものについて、話そう」:きんき編

全国から選りすぐりの“ほんまもん”を集めたスーパーマーケット・フレンドフーズには、食にこだわりを持ち、何より美味しいものが大好きなスタッフがたくさん。

そんなスタッフの中から、北海道出身で、昨年の春からフレンドフーズに仲間入りしてくださった鮮魚部の渡部さんに、美味しいものへの愛をたっぷりと語っていただきます。

今回は「きちじ」「めんめ」などとも呼ばれる万能選手なお魚・きんき編です。

東の横綱でごわす!

「♪ 真赤っかなーー真赤っかな女の子」と、そのポスターが最近話題のドラマではタイムマシーンの出口になっちゃってたキョンキョンですが、先日鮮魚部に届いたのは「♪ 真赤っかなーー真赤っかな深海魚」の”きんき”。

白い発泡スチロールの箱にお行儀よく並び、ウルルンとした大きなお目々に見つめられた朝。幼い頃によく食べていたことを思い出し、私の心は一気に昭和30年代へタイムスリップ!

調べてみると、

・標準和名:「きちじ」フサカサゴ科
・生息域:北海道東部、オホーツク海、ベーリング海。水深100〜1200mに生息

だそうですが、そんなこと当時はこれっぽっちも知らず、地元では「めんめ」と呼ばれ私が小学生くらいまでは、普通のサラリーマン家庭でも日常で食べられるくらいのお値段だったはず。

しかし今や1kgあたり1万円もザラ、なんて言われる超高級魚になっちゃってるそうで、「そう言えば京都に来てから食べてないかも…」と気が付いてしまったら、もう食べずにはいられない!

レシピサイトをみると断然「煮魚」推しではありますが、私の記憶にある食べ方は「お湯で茹でる」という実にシンプルなもの。

昆布を入れたお湯で茹で、大根おろしとポン酢で。
茹で汁は、きらきら脂が浮いて最高に美味しいので、そこにお豆腐やネギを入れてすまし汁にします。

そして最後は…そう!ご飯を入れて雑炊!と、まるでお鍋のようなフルコースが楽しめます。

改めて調べてみたら、お湯で茹でる食べ方を「湯煮(ゆに)」と呼ぶそうで、さらにその身をウスターソースにつけて食べる地方もあるらしく、今回はそれにもトライ。

ふんわり脂を含んだ白身に、ウスターソースのスパイシーさと酸味が意外にもよく合いました!

写真左上に映るお椀のなか、手前に見えるのが「肝」。アンコウなどのようにねっとり濃厚というより、お豆腐かプリンのようにツルルン!としてるんです。

身のほうに脂が多いと肝はあっさりになるのかも…なんて、あれこれ「めんめ」に思いを巡らせていたら、その数日後に放映されたさかなクンの「ギョギョッとさかなスター」がタイムリーなことに「きちじ特集」。

水族館でその生態を観察していたんですが、「あの…あなた、生きてます?置物ですか?」ってくらい海底に止まって、まーったく動かない!

目の前に落とされる餌も、他の魚に横取りされるドン臭さ。そんな姿からは、まさかその身がこんなに美味しいなんて想像できないんですが、「西の横綱・のどぐろ」「東の横綱・きんき」なんて言われちゃってるそうで。

湯煮、煮付け以外でも、お刺身、炙り、一夜干しなど、どう料理しても、正に「横綱級」の美味しさです。

◆この記事を書いた人

名前:渡部 智子
部門:鮮魚部

2022年の春からフレンドフーズの鮮魚部で勤務を開始しました。生まれも育ちも北海道。20歳から45歳まで札幌で建築関係の仕事をしており、その後和菓子の道へ転職して4年目に京都へ移住。 そして、11年目の春、和菓子だけに止まることができず、たくさんの「美味しい」を提供しているフレンドフーズへと行きつきました。 美味しいものを求めるお客様にお会いできることをとても楽しみにしております。


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