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【商品の仕入れ基準】青果部 川村編

全国各地から仕入れたこだわりの銘品を揃えるフレンドフーズには、プロフェッショナルな目利きができるスタッフが大勢います。そんなスタッフたちの商品の仕入れ基準をお届けしたら、もっと買い物が愉しんでいただけるのでは? そう考え、スタッフ・木本が取材してみました。

今回は青果部・部長の川村編です。

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「この前食べたん、おいしかったわ」

冬でも半袖で仕事をしていることが多い川村。
フレンドフーズで一番熱いスタッフかもしれない川村に、お客さまに言われて嬉しかったことを聞いてみた。

「この前食べたんおいしかったわ」

拍子抜けするほどシンプルな言葉が返ってきた。その積み重ねが、とても嬉しいと。
エピソードらしいエピソードが返ってくるのかなと期待していた私には、意外な言葉だった。

青果に携わり20年以上

川村の青果歴は長い。

高校一年生の頃からスーパーでアルバイトをはじめ、野菜や果物と関わってきたそうだ。その後、高校卒業と同時に小売業界の会社に就職し、10年近く勤めた。しかし、一度スーツを着る仕事がしてみたいという思いから、青果とは全く関係のない印刷業に転職することに。

念願叶い、スーツで営業する日々をおくるが、1年ほどで退職。
青果が自分には合っていると再認識し、フレンドフーズに出合うことになる。

初めての仕入れ経験

フレンドフーズの青果部門は、仕入れから販売まで一気通貫で業務を担う。青果歴の長い川村も、お店での販売歴は長いけれど、入社時点で仕入れ経験はゼロ。当時の店長に、生産者の情報や商品のランク(※)などを教わり、また実際に産地に足を運ぶことで、仕入れの知識を深めていった。

店長とはその後3年ほど仕事をともにする。その間、仕入れの方法を学ぶのはとても新鮮だったという。店長との出会いが、川村がさらに貪欲に青果に熱を上げるようになった一因かもしれない。

※商品の種類により異なるが、秀品 > 優品 > A品 > B品 の順番で一般的にはランク分けされていることが多い。

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フレンドフーズの仕入れ基準は秀品がベース

フレンドフーズがこれまでずっと順風満帆だったかというとそうではない。売上が低迷していた時期もある。

その状況を打破するために、川村は以前の小売会社での経験を活かし、あえてフレンドフーズの仕入れ基準を満たさない商品を仕入れて、安く販売したこともあったそう。結果は、全然売れず……。

お店によりお客さまの要望も異なるわけで、川村自身も失敗から学び、ニーズを汲み取る経験を積んでいった。

今では、同じ秀品ランク内でもより良い商品を選んだり、天候の影響でそもそも秀品ランクがない場合は、優品ランク内でもっとも質の良い商品を選んだりなど、フレンドフーズの仕入れ基準に満足することなく、自分の目で確かめることを大切にしている。

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熱量を見る

仕入れ方法には大きく2種類ある。市場に買付けに行くケースと、生産者さんが直接売り込みにこられるケース。先ほどの商品ランクも大事だが、それ以上に川村が仕入れで大事にしているのは生産者さんの熱量。

最近だと滋賀県野洲市で生産されるごぼうを販売したが、生産者さんが売り込みにこられたのがきっかけだった。野洲のごぼうは地形の関係上、栄養を多く含んだ土で生産でき人気を博していたが、時間の経過とともに作り手が減り、認知度も下がる一方だった。

その状況に危機感を覚えた生産者さんが、野洲のごぼうを復活させたい思いからフレンドフーズに来られ、販売する流れに。結果は想像以上に売れ、お昼過ぎには完売するほどだった。

青果売場には、同じ野菜や果物でも、3種類ほど置いていることが多い。もちろんお客さまの幅広いニーズにできる限り応えるためだが、値段の差は熱量の差かもしれない。気になる方は、ぜひ川村に聞いてみてほしい。待ってましたとばかりに、商品の説明をしてくれるはず。

後進を育てる

現場に鍛えられた川村も今では部長となり、後進を育てる役割を担っている。ゆくゆくは若手に売り場を任せ、自分はフレンドフーズオリジナルの商品を手がけたいそうだ。仕入れ・販売だけでなく、商品をつくる。青果に関わり20年以上経つが、川村の情熱はまだまだ冷めそうにない。そんな川村の姿勢を見て育つ後進も、きっと現場で揉まれながら一人前になっていくに違いない。

あっ、そうそう。最後に、アグレッシブな川村のエピソードを一つ紹介させていただく。昔、五山の送り火の日に、ラズベリーソースなどをかけたオシャレなかき氷をお店で販売する予定を立てていたもよう。社内に留まらず、食を研究している学生団体とも連携し、クオリティの高いかき氷ができあがり、後は販売当日を待つのみ。

期待に胸を膨らませていたが、来たのはお客さまではなく台風。台風が直撃し、かき氷を売るどころではなくなったらしい…。

熱い一面とおちゃめな一面を掛け持つ川村と青果部を、これからもどうぞご贔屓に。もし、五山の送り火にかき氷が売っていたら、それは川村のしわざです。

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インタビュー相手:青果部 部長 川村哲平(かわむら てっぺい)
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文:フロア部・木本将也

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