【アルバイトの生産者さん訪問記】香川・小豆島町「ヤマロク醤油」さん
フレンドフーズの頼もしい学生アルバイト・加藤さん。食への興味が深く、プライベートでも生産者さんを訪れては知識を深めていらっしゃるほどです。
そんな加藤さんが、フレンドフーズに並ぶ“ほんまもん”のつくり手さんを訪問して学んだこと、感じた想いを、皆さんにもお届けします。
香川・小豆島町「ヤマロク醤油」さんへ
「私が口にしているものは、どのようにつくられているのだろう」
はじめまして。フレンドフーズでアルバイトをしている加藤と申します。
私は、今年の4月に京都の大学に進学し、大学では和食文化を勉強しています。
出身は札幌で、好きな食べ物は焼き魚。北海道で釣れるクロソイやアブラコが特に好きです。美味しいものセンサーが働いて、フレンドフーズでアルバイトをしています。
「何気なく口にしている食べ物がどんなものからつくられ、どこからどこに運ばれて食卓に並んでいるのか」。ある日、ふとそんなことを考えたときに、その過程を答えられない自分にショックを受けました。
「食べる」という行動が、自分や社会に与える影響について無知な状態から脱却したい。大学在学中にフレンドフーズで扱う多くの生産者さんを訪れて、そこで感じたことを、この記事を読んでくださっている皆さんにもお伝えできればなと考えています。
今回私が訪れたのは、香川県の小豆島町にあるヤマロク醤油さん。
木樽による醤油の醸造は今や日本の生産量の1%しかない現状にもかかわらず、小豆島には今でも木桶で醤油をつくる蔵元が数多く残っています。
醤油づくりは、400年続く小豆島の伝統産業。小豆島には「醤の郷」という、醬の代表格である醤油や佃煮をつくる工場が軒を連ねるエリアもあります。
そんな小豆島町で醤油づくりを営む老舗・ヤマロク醤油さん。5代目社長の山本康夫さんは、「子や孫の世代にも『本物の日本食の基礎調味料』を残せるかどうかは、木桶による発酵文化が後世に受け継がれるかどうかにかかっている」とおっしゃっています。
また山本さんは2009年当時、木桶を製造する桶屋が1社しかなかったことから、2012年に木桶職人を目指して修行をし、今では木桶職人と醤油屋の二刀流で活躍されています。
現在では木桶職人を増やすため、毎年1月に全国の蔵元を集め、つくり方を教えながら新桶を制作していらっしゃるそうです。
ヤマロク醬油さんの醤油に込める思いなどに興味のある方は、ヤマロク醤油さんのWEBサイトに詳しい情報がありますので、ぜひご覧下さい。
ヤマロク醤油 (yama-roku.net)
さて、私が小豆島に行った時の話に移ります。
8月の下旬、快晴の空のもと、さわやかな風を受けながら、フェリーで小豆島に上陸しました。
ヤマロク醤油さんに向かってバス停から坂道を登っていくと、なんだか香ばしいお醤油のような香りが風と共に漂ってきます。
お醤油のにおいに導かれてたどり着いた、ヤマロク醤油さん。
高さ2~3mの大きな木桶がお出迎えしてくれました。
ご厚意に甘えて蔵の中も見学させていただいたところ、中に進むとぐっと深い醤油の香りが鼻の奥まで届きます。
それぞれの醤油屋の木桶には、歴史の積み重ねや気候風土によって違った微生物が生きています。その微生物たちが醤油の味を決めるため、醤油屋によって醤油の味に違いが出てくるのです。
二つの木桶をよく比較すると、150年前の木桶のほうに菌が多くついているように見えます。
この樽に入れて、最低でも1年かけて発酵させます。
その間かき混ぜることはほぼなく、微生物の力によって醤油がつくられるそうです。
ヤマロク醬油さんは、
とおっしゃっています。
見学のあとは醤油の味見もさせていただいたのですが、木桶でなくてはいけない理由がよくわかりました。いつもの醤油でもおいしいと感じていましたが、ヤマロク醬油さんのお醤油の旨みはあまりに桁違いというか、味に複雑さや深さ、奥行きがあります。
長くなってしまいましたが、木桶の魅力が少しでも伝わったでしょうか?
まだまだお伝えできていない部分や、私自身が勉強不足の点はありますが、まずは、ぜひ皆さんに一度味わっていただきたいです!
小豆島で大切につくられたお醤油は、フレンドフーズでも手に入ります。
今回紹介したヤマロク醬油さんの商品で取り扱いがあるのは、「鶴醤」と「菊醤」。
・ヤマロク醤油「鶴醤(つるびしお)」(500ml 税込1,944円)
味の特徴:
深いコクとまろやかさ
倍の原料と歳月を加えた再仕込み醤油
おすすめの料理:
刺身に合わせる醤油、脂身の強い肉との相性が良く、味の濃い料理。
肉じゃが、照り焼き、かば焼きなどに。バニラアイスに少量かけるとキャラメル風味になります。
・「菊醤(きくびしお)」(500ml 税込1,944円)
味の特徴:
あっさりしたキレと旨み
原材料にこだわった濃口醤油
おすすめの料理:
かけ醤油として、野菜の煮物など、色をきれいに仕上げたいお料理に。
※参考:商品紹介|ヤマロク醤油 (yama-roku.net)」
小豆島の風土や、そこに住み着く微生物と、人間の共同作業でつくり出された美味しいヤマロク醬油さんのお醤油をぜひ、ご賞味ください!
◆この記事を書いた人
加藤優奈
フロア部アルバイト
2024年4月から京都の大学に進学してきた道産子。食いしん坊。
大学では食文化の勉強をしている。
フレンドフーズでのスタッフやお客さん、はたまた生産者さんと、おいしいものの話をするのが大好き。ひとり旅はおいしいものを求めてどこへでも。