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忘れることが気になったときに読む本

以前、新しく買った本を電車の網棚に置き忘れ、後になって駅員に回収をお願いしましたが、結局見つからず、がっかりした経験があります。このような忘れっぽさは年齢によるものなのかと不安になることもありますが、最近読んだ『忘れる脳力』(朝日新書 岩立康男 著)という本では、脳があまり使われていない記憶を積極的に消去する仕組みがあることが紹介されていました。

脳は容量に限りがあるため、新しい情報を取り込むために必要のない記憶は自動的に消去されるという仕組みがあるそうです。実際、新しい情報が入ってきたときに放出されるタンパク質が、必要のない記憶を削除する役割を担っているということも明らかになっている、とのこと。

忘れることがなければ、新たな記憶を獲得することができない。さらに言えば、新たな記憶を獲得できなければ、「考える」ことができない。なぜなら考えることは、忘却の末に獲得した記憶を組み合わせ、未来へ向けての新たな視点や新たな解釈を見出すことでもあるからだ。「考える」ことはすなわち、その人の記憶に基づいてなされる行為と言える。その人が生きてきた歴史や経験をベースに、どういう記憶を捨ててどういう記憶を獲得してきたのかという取捨選択を反映したものなのだ。

『忘れる脳力』P106

ということは、「忘れる」ことが「考える」ことに繋がり、個性や思考にも影響するということなんですね。忘れることは良いこと、重要なことだったのだ、と改めて認識。

そこで、何かを忘れたときは、「これは、新しいことに取り組んでいる証拠だ!」とポジティブに考えることにしました。気持ちが楽になる感覚も得られます。(周りに連発すると開き直りと思われるかもしれませんのでご用心。)

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