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初期研修医になって後悔しない病院選びの最低限の基準

医学生のみなさん、国家試験の勉強お疲れ様です。
国家試験に合格して無事に医師になると初期研修が始まります。
初期研修を行う病院をどのように選べばいいでしょうか?

〇〇病院は救急車が多くて勉強になる、〇〇病院はブランド病院で評価が高い、〇〇病院は指導医の先生がよかった、〇〇病院は将来行きたい科が有名で勉強したい、などなど様々な理由があると思います。

しかし、初期研修の本来の目的は何でしょうか?
様々批判やご意見があることは承知していますが、
医師として最低限困らない程度の内科と初期救急の知識、手技を習得することです。

医療が細分化されている現代では、専門的な治療は専門家に任せるのが原則です。
しかし、専門外だからといって何でもかんでも専門家に投げるわけにはいきません。
仮に全ての科が揃った総合病院に勤務していたとしても専門の先生に見てもらうのに時間がかかるかもしれません。専門の先生が急病で休むかもしれません。夜間に急変するかもしれません。
最終的に専門家に投げる、これは私も賛成です。
しかし、専門家に投げるまでは主治医が責任を持って繋ぐ必要があります。
”繋ぐ”という言葉を言い換えると、”初療を行い時間を稼ぐ”と言うことになります。

最低限初療を行うのはわかったが、なぜ、一般的な内科と初期救急なのか?
それは、遭遇する頻度が高い上に何もせずに放っておくと状態が悪化する疾患が多い
かつ、専門家ではなくても何かしらの初療を行う必要がある
からです。

後期研修医になると当直のバイトができるようになります。
軽症から重症まで様々ですが患者さんの急変には必ず遭遇します。
病院に医師は自分しかいません。その場は自分でなんとかするしかないのです。
それができるようになるには最低限の内科、救急の初療をできるだけの知識や手技が必要です。

これは有名病院じゃなくても、ハイパーな病院じゃなくても習得することはできます。
むしろ病院のレベルが高すぎたり、忙しすぎたりすると研修した気になっているだけで何も習得できていない可能性もあります。(ある程度の数をこなす必要はありますが、、)
あとは生存バイアスがかかっているため、有名病院で研修をしたから優秀になったのではなく、元々その環境で生きている優秀な人がその病院に行っただけの可能性もあります。

医師として最低限困らない程度の内科と初期救急の知識、手技を習得できる病院ならどこでも構いません。無理をする必要はありませんし、周りと比べる必要もありません。
みなさん”それぞれにあった”いい研修病院が見つかるようお祈りしています。