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フランスって危険な国?

久しぶりの文章での投稿で、緊張してます。

お付き合い頂けると嬉しいです。

フランス人を驚かせた日本のある光景

もう20年以上前、 フランス人の夫が仕事の関係で日本に住んでいたころの話です。

 「便利なところで暮らしたい」

という夫本人の希望で、普通の日本人なら選ばないだろうと思われる超繁華街で一人暮らしをしていました。 

その夫がボヤいていたことで、私の記憶に鮮烈に残っていることがあります。

何だと思いますか?

それは

「小さな子供が繁華街をウロチョロしている。信じられない!」と半ば憤りを感じた様子で夫が語っていたことです。

日本の親を無責任呼ばわりするような調子で、話していたように記憶しています。

私は夫のそんな発言夫に、少し困惑していたのですが、フランスに実際住み始めてなんとなくどうして夫がそんな発言をしたのか理解できるようになりました。


一人歩き禁止条例 ?

フランスでは小さな子供が親に付き添われず歩いている光景、凄く珍しいのです。

滅多にみかけません。

小学校でも高学年でもない限り、登下校は親が付き添うのが当たり前。

地域にも拠りますが、放課後も子供同士が外に出て自由に遊ぶのは中学生くらいになてからというのが一般的なようなのです。

実際そういう決まりがあるのかと調べたところ、そのような法律や条例はないようです。

ただ市町村によるのでしょうが、学校で決まりを作っていることがあるようです。

私の自宅から、近所の小学校までの距離はわずか5分です。

道路を渡る必要さえありません。

小学校に上がったら一人で歩かせても全然問題ない距離と思えるのですが、近所の小学校低学年の子供が自由に下校している姿はほとんど見かけません。

次男が小学校1年生だった頃、家を出るのがちょっと遅くなってしまったことがありました。

例え数分でも付き添いの先生を待たせておくのが申し訳なかったので、先に学校が終わって私と一緒に歩いていた長男を走って行かせたら

先生が子供に付き添って向こうから歩いてきているのが見え、凄く恐縮した思い出があります。

「小学校1年生は一人で下校させられない決まりです」

と説明され驚きました。

学校側が保護者とのトラブルを防ぐためのルールのようですが、

「子供だけを学校の外に出さない」

というのが一般的な認識だからこそ成立する決まりのように思います。


他人は○○という刷り込み!?

フランスで子供が一人で街を出歩かないのは、一言でいえば治安が良くないからだという事になるかと思うのですが、実際の犯罪率云々以前に、

他人=危険 

という意識の中での刷り込みが、根本的にあるのかなあと感じることがあります。

危険な相手(他人)を疑うことは当たり前

みたいな感覚が強いように感じます。 

子供がお小遣いを持って駄菓子屋でお菓子を買いに行く光景。

少なくとも私がいたころの20年前の日本なら珍しくなかったように思うのです。

でもフランスではそもそも小売店の店主さえも信用してないように感じることがあります。

学校の級友や、会社の同僚を泥棒扱いする ← 心の中の話ですよ!

これって日本人には(少なくとも私には)ちょっと驚きの感覚だと思うのですが、フランスでは結構普通にあり得るのかなと感じることがあります。

現に純朴な心を持つ日本人の母親に育てられたわが息子達でさえ、物がなくなる度に、

「盗まれた」 

と平気で口にすることがあります。

最初は親に怒られたくないための嘘だろうと思っていたのですが、どうも違うようなのです。

校内で忘れ物をしたら盗まれてもしょうがないという認識があるようで、貴重品をしまうロッカーには鍵をかけるのが普通なのだとか。

私が会社で何かを紛失した際も夫から、

「会社の誰かでは?」

と言われ、渡仏直後だったということもあり、なんてことを言う人なんだと憤慨した記憶があります。

今これを書きながらふと、勤務先では従業員が文房具を持ち去らないように、備品が置いてある棚には鍵がかかけられていることを思い出しました。

悪化する社会情勢

これはここ数年の傾向ですが、世界的に多発しているテロの影響でフランス人の警戒意識が一気に高まりました。

200人以上の被害者を出したパリ同時多発テロ事件後も、学校や教会でのテロを思わせる事件は相変わらず続いています。

年々増えている空き巣やスリも、外国の犯罪組織が背景にあるという話も聞いたことがありますし、フランスが日本と違い大陸にあるという地理的な背景も大きいようです。

5年以上前ですが、一時はパリの街や地下鉄で、東欧から来たと思われるスリ集団とすれ違わない日はなかったというくらいスリが多発し、大きな社会問題になっていたこともありました。

中東のどこかで起きている戦争の影響が、数か月もすると難民という形で自分たちの問題として降りかかってくるのがフランスなのです。

少し前に色々な国から集まった難民の人たちが、パリの一部にテントを張って暮らしている光景を見かけた事がありますが、

「この近所に住んでなくて良かった」

と思ってしまったのは私だけではないはず....。←酷い ですよね(汗)

募金という形での援助は比較的簡単にできますが、近所に難民家族がテントを張って暮らし始めたら、どうしますか?

仮説住宅の準備が間に合わず、想像を絶する衛生状態で暮らし続ける難民の人たちを

「わが家へどうぞ」

と迎え入れる心の余裕のある人、悲しいですが私も含めて、歴史的に難民受け入れをしてきたフランス人でさえ、少数派なのではと思います。

この映画フランス語版しかなのが残念ですが、フランス人のそういう側面を笑いにした映画です。

移民受け入れ賛成派のインテリ小説家が、

「移民には惜しみなく救いの手を差し伸べるべき」

とテレビで発言。

反対派の共演者から

「じゃあまず自分で見本を見せる意味で、ご自宅に招待したらどうですか?」

とけしかけられ、

「○○にある私の家にいつでも迎え入れます!」

と宣言する羽目になり、翌日自宅豪邸に沢山の移民が押しかけてきて大慌てするというコメディーです。

最近は麻薬ディーラーによる銃撃事件のニュースが世間を騒がせており、アメリカ化してきたような印象すらあるパリ。

政治や警察の力で犯罪者を一層して解決できる単純な問題ではなく、

(現に刑務所は満杯で収容する場所がないのも大きな問題!)

一人一人が自分の問題としてできることをやっていく姿勢が大切なのかなと思います。

私の場合には

身の回りに居る家族、近所人の様子に気を配る。

そういう事から初めて見ようと頑張ってます。

安全に暮らすために私が気を付けていること

ここまで読んでフランスやパリに来るのが嫌になってしまった人がいたら、本当にごめんなさい!

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