【#フリーズラボ #ラボ体験】 歯ごたえと舌触りを研究する - CHEESE STAND 実験レポート

みなさんこんにちは、フリーズラボ(freeze-LaBo)です。

フリーズラボは、千葉県 柏の葉キャンパスにある、急速冷凍技術を用いた食と生活のイノベーションを起こす実験室です。今回は、食感をとっても大事にするチーズが届いたのでテストしてみました。今回は、冷凍は一切行わず食感テスト中心の内容をご紹介します。

「街に出来たてのチーズを」をコンセプトに2012年東京都渋谷区に誕生したチーズ工房『CHEESE STAND』。

10周年を迎える2022年、世田谷区に新しい工房を開設し熟成チーズの製造にも取り組み始めています。そのCHEESE STANDから6種類のチーズをお届け頂きました。香りと味も抜群のこだわりのチーズです。

こだわりのチーズ

今回のチーズの送り主は、世田谷の新工房でチーズ製造と熟成を担当している柳平孝二さんです。先行して送られてきたチーズを先ずは、一切れ試食してみました。

最初に手にしたのは、東京白カビチーズ。封を開けてカットして同封されていた説明書の通りに常温にして食べてみました。白カビ部分は、しっかりしているが中は、持てないほど柔らかく、口の中で力なく潰され香りが鼻に抜ける。取り分けた皿からはがせないほど粘りがありクリーミーなチーズでした。

1種類、一口で残りの他のチーズを食べたくさせる。
同時にこの柔らかさってどのぐらいなのだろう?と思ってしまう。早速、計測してみることにした。試料で利用するには、勿体ないので当然廃棄せずに全て綺麗に頂いたことを付け加えておきます。

計測しても数値ではわかりづらいので想像のつく近い食品で例えさせていただきます。

柔らかすぎるぐらいに柔らかい

柔らかいことは、どれをとっても直ぐにわかる。計測するにあたり「出来たてモッツァレラ」と「東京ブッラータ」が突き刺し試験が可能かが気になりました。

東京ブッラータは、巾着のような見た目だがトングでつかむと中がトロトロなのが良く判ります。切り分けると案の定、トローりとしています。これは、高齢者食などUDF試験同様にカップで計測することとしました。出来たてモッツアレラは、非常に柔らかいが固体状であるので他のチーズ同様の試験を行ってみました。

試料試験条件は、φ1mmの治具で28mmストロークでの突き刺し試験で計測してみました。ブッラータチーズは、半固形の柔らかさなのでφ40mmの計測カップに入れ、φ20mmの治具によるUDF試験にて計測してみました。(UDF試験は、高齢者用えんげ食の計測方法となります)



計測治具の違いで値が変わることは、誤解が無いようにお伝えしておきます。面で圧縮するUDF試験の方が柔らかくてもそれなりの数値が取得できます。適した治具で数値を把握しておくことが重要となります。


赤い波形で右二つのグラフを見て頂くと上に伸びていく線は、圧縮時の試験力で開始時より最後にマイナスに振れているのは、引き上げる際の粘りの力となります。山の頂上が左にあり山が高ければ歯ごたえがあり、山が右側(モッツアレラ)の方が硬さも柔らかく噛み応えも滑らかであることが判ります。マイナスの力で見ると酸凝固チーズの方が舌に残る粘り強さとピークからほどける様な柔らかさであることがわかります。

滑らかやパリパリなどの形容詞を具体的に数値で比較してその特徴を抑えることも美味しさを追及する上では、必要な時代であり、より消費者に安心感や商品へのこだわりを伝えていく要素になってきています。

数値では判らない例えが必要

前述のグラフを見て視認できることは、ご理解頂けたと思います。
しかし、モッツアレラチーズの最大試験力は、0.38ニュートンです。(380g)酸凝固チーズは、0.60ニュートンです。(600g)

ご覧頂いている皆さんがそれぞれの硬さを想像できるかと言うと難しいと思います。

食パンの中心と同じ硬さやマヨネーズやヨーグルトぐらいの硬さなど誰もが具体的の想像できる比較対象が無いと計測した自己満足で終わってしまいます。

販売拡大でのマーケティングで考えれば誰にでも理解しやすい表現が必要となります。

0.6ニュートンは、ほぼマヨネーズと同じ硬さです。0.38ニュートンは、ケチャップより多少硬い程度の力ですからどちらも舌で味わう硬さと言えます。
プリンより柔らかいチーズが出来ました!と言えば誰もが判ります。

本記事でご紹介したCHEESE STANDのwebサイトは、下記URLよりご確認頂けます。

フリーズラボは、お客様と共に色々なことをコラボレーションする食の実験室です。食に関する実験やコラボレーションについて、お問い合わせは、以下のフォームからお寄せください。


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