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大晦日の思い出

 思っていたことも出来ず、行きたいと思っていたところも行けず、気が付くと季節が過ぎ去って行った2020年も今日で終わり。大晦日になると思い出すこと。

 サッポロの西に住んでいたもう40年以上前のこと。当時、スーパーは琴似にヨーカドーとダイエーがあったが、住んでいる町には小さなスーパーと廉売の市場しかなかった。小さな廉売にも大晦日は多くの客が訪れ賑わう。そんな年の瀬が当たり前の時代。

 家族で廉売に行き、あれこれと買物をして、魚屋に行った時。マグロや白身を買って刺身にしようかとか話していたんじゃないかと思う。そんな時、老夫婦が訪れ、塩引きの鮭の切り身を二切れだけ買って帰って行った。裕福ではなかったが、正月ぐらいはちょっと豪華なものが食べれると思っていた身には強烈な光景だった。

 帰ってから、○○さん子ども帰ってこないのかなとか話していたので、親も印象に残っていたと思う。あれから相当建ったが、年の瀬に買物に行くとあの時の老夫婦の姿を今でも思い出す。

 自分も歳を重ね、正月の特別感の気持ちも薄れると、贅沢よりも質素に生きることが大切だと思うようになった。大晦日に塩引きを買った老夫婦の気持ちも今では分かる気がする。

 

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