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【79年目 終戦の日】

今年のお盆は、先日亡くなった叔母も帰ってきているのか、
いささか賑やかだ。昨夜の就寝中、仏間の天井裏から
数名の会話が聞こえた。毎年の事なので、たいして驚きはしないが。

今日は8月15日 終戦の日。
79年前にあの放送を聞いた多くの日本人は、心底安堵したのだろうか?
それとも複雑な心持ちでや、本当に終わったのかと疑心暗鬼に聞き入れたのだろうか。

6人兄弟の末っ子である母親は、3人の兄を大東亜戦争で亡くしている。
母方の先祖の墓石には23歳、21歳、20歳と、
彼らの両親より早い段階でその存在が刻み込まれている。

今現在、いろいろと問題はあるが戦争はない平和な日本。
過去の映像を観ても、戦争体験者の話を聞いても、
たった30年以上前には、一般人は兵役でかり出され、
日本国内は降り注ぐ爆弾によって無差別に、殺められていた事を
周知できても、僕はどうやっても上手く想像ができない。
そんな壮絶な世界を過ごしてしまったら、
自分自身、まともな精神状態で生きていけるとは思えない。

遥か遠い地で散っていった若き魂たち。
その若さで、どこかでDNAが繋がっている身内で…
多くの日本人男性が、誰も知る由もない戦地で命が消え去ることを
あまりに哀しく、僕は意図的に想像を回避しているのかもしれない。

水筒の水を入れ替え、線香と墓石にかけた水が蒸発する匂いがする。
様々な想いを馳せながら、僕は墓前で手を合わせた。
無念だったよな…もっと生きたかったよな‥
こんな日本だけど自分は今何不自由なく幸せに生かしてもらってます。
ありがとう…と呟きながら立ち上がり、
深海みたいな空色から降り注ぐ日差しを感じながら
交戦する戦闘機の様にランダムに飛ぶ回るトンボたちを眺めていた。

お盆に入れば、昼間の厳しい夏は朝夕は穏やかな日差しに変わりつある。
その穏やかな空気が…優しく包み込まれるような感覚に満たされてゆく。

その感覚こそ、日本を護って頂いた彼らの深い祈りなのかもしれない。

これは発信者が老若男女問わず、
次世代へ大切に引き継いでいくべきである。

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