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**歌舞伎町の女王 02**

彼女のはじまり

生い立ち、その他はまたゆっくりと話すとして彼女は訳あって銀座の高級クラブで働くことになった。「訳あって」の部分もいずれお話することになるでしょう。当時の銀座は、まだ子どもだった彼女には何もかもが眩しくて、そして厳しかった。今日はそんなお話。

++姿勢は正して女らしく++

子どもと言ってもおかしくない年齢の少女たちが、色んな理由で働く場所は夜の街だ。彼女もそのひとり。訳も分からず銀座7丁目で働くことになる。「教育係」兼「クラブのNo.1」だった女性に言われたことは「姿勢は正して女らしく」だった。

何もわからない、何もできない彼女は言われた通りのことを忠実に守った。「できることからするしかない」最早、この時点で彼女はもう「銀座の女」になろうとしていたのだ。

++銀座のNo.1++

クラブNo.1の先輩は"葵さん"と言う源氏名で、ママやスタッフからの信頼も厚かった。後輩ホステスたちの憧れであり、超えられない山だった。その横をちょこちょことついて行く自分に葵さんはこう言う。

「自分のお得意さんを作りなさい」この世界は「お得意さんがいて初めてデビューよ」優しい笑顔の葵さんは余裕だった。子どもの彼女は思った。「この人を超えたい」この子はそう言う資質をもっていたらしい。No.1を超えると言うことがどう言うことか?そこまで考えていなかったのだろう。

++オリジナルしか勝たない++

オンナの世界にも数字がつきまとう。「お得意さん」の数、その日の売上、月の総売上etc・・・同伴、アフター・・・あげて行けばキリがない。子どもだった彼女は、葵さんに教えてもらった全てを吸収した。しかし「お得意さん」はそうそう簡単には増えない。「大人のフリをするのを辞めよう」彼女は考えた。所詮、葵さんの模倣でしかない。で、あれば、自分を出す。これしかない。そう考えた。そして「大人のフリ」をやめた。数字は伸びた。「でも、まだまだ・・・」そう思っていた彼女は3か月でNo.2まで昇りつめていた。模倣ではなくオリジナルに切り替えた彼女は、葵さんの後ろをしっかりキープするまでになった。

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