地方創生とはなんだろうか？

安倍政権のもとで2014年に秋に臨時国会で発表されました。そして、注目されている「地方創生」。東京一極集中（東京への人口集中）などの人口問題により、地方消滅の危機と言われている中、多方面から“地方創生”や“地方活性化”、”地域創生“といった言葉をよく耳にするようになりました。とはいえ、よく分からない人も多いと思います。この記事では、地方の創生において国と地方が取り組んでいる政策と課題をわかりやすくご説明します。

地方創生とは？

2014年9月3日、第2次安倍改造内閣発足と同日の閣議決定によって「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されました。そして「まち・ひと・しごと創生本部」は内閣設置の法定組織になりました。この本部の通称が「地方創生本部」であり、第2次～第3次安倍内閣の地域活性化の取り組みが『地方創生』と呼ばれています。

「まち・ひと・しごと創生本部」は、地方の活性化を目指す方法論として「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。これは急速に進む日本の少子高齢化に対応し、人口問題に歯止めかけるべく施策されています。この施策を実現するには、人口が首都圏に集中してしまうことを食い止め、日本の社会全体、地域などを盛り上げていき活気を付けて行かなくてはいけません。

地方創生の基本目標
「人口減少問題の克服」と「成長力の確保」を長期ビジョンンに掲げている地方創生。
2020年までの具体的な取り組み今年中までに、大きく4つに分けられます。

地方で安定した雇用を提案

地方にて安定した雇用の提案です。特に若者(15～34歳)の正規雇用数の向上と女性の就業率の向上に力を入れています。

施策としては、地域産業の競争力を高めることを目的として包括的創業支援、中核企業支援、地域イノベーション支援、金融支援、対内直投促進といった業種を横断した取り組みの他、農林水産業の成長産業化、サービス業の付加価値向上、観光産業の活性化、地元名産品のPR、文化・アート・スポーツの振興推進などの分野別の取り組みなど、様々あります。

地方での雇用や人材育成のサポートとしては、「地域しごとセンター」「プロフェッショナル人材センター」の整備と運営も挙げられています。また、地方行政組織は地域を支える中堅企業・中小企業に対して新設された“地方創生交付金“や”ものづくり補助金“、設備導入費用の助成金などを活用して支援することができます。

地方に人の流れをつくる

地方から首都圏への人口流出を減らし、首都圏から地方への転入を増やすことを目的とした地方創生事業です。「移り住みたくなる地域」「そこで働きたくなる」地域を増やすことを目的としています。

地方への移住推進のため、全国移住促進センターをオープンし移住情報一元提供システムを整備すること、地方居住推進国民会議を開催すること、アメリカで普及しているCCRC(継続的ケア付きリタイアメントコミュニティー)を日本社会の特性に合わせてアレンジし普及させていくことなどが施策として挙げられています。
また、地方での雇用を促進し就労を拡大するために、企業の地方拠点強化、政府関係機関の地方移転のほか、テレワークやサテライトオフィスといった、新しい働き方を提案、実践していくことを目標として掲げられています。

若い世代のファミリープランを実現化する

若者が安心して結婚・出産・子育てができる社会をスタンダードにしていくために、特に子どもを持った後にも、ワークライフバランスが保てることを目指した取り組みが必要です。とてもハードルが高い一面があるのは事実です。

ファミリープランの経済的基盤づくりとも言える若年の雇用対策、正社員化実現にはじまり、育児休暇の取得促進、子育て世代包括支援センターの整備、長時間労働の抑制といった、子育てやワークライフバランス実現のためのサポートが挙げられています。また、自立というメンタル部分も考えていかなくていけません。

地域と地域を連携させる

現実的には、難易度が高いとされていますが「時代に合った地域づくり」「誰もが安心して暮らせるまちづくり」を実行することで、地域間の連携を図っていくという視点です。例えば、以下のような施策が挙げられています。

子どもからお年寄りまで様々な人々が分け隔てなく交流できる「小さな拠点」の形成
都市のコンパクト化と周辺地域とのネットワーク形成
連携中枢都市圏の形成
定住自立圏の形成促進
地域連携事業としての地方都市における経済や生活圏の形成
大都市圏において安心できるくらしの確保
既存ストック（不動産）のマネジメント強化

このように、全国ではいろんな形や仕組みをうまく利用し、協力しあう形で地方は動いています。今後の施策や変化に期待ですね。