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フリースクールスタッフの資質:フリースクールを創る計画

自分はフリースクールを創る資質があるのか?と思い、「フリースクール 必要な資格」などとインターネットで検索し、ヒットしたのが以下のHPでした。

ここには、フリースクールを開校するために必要な事項がまとめられており、私は個人的にはとても参考になった記事です。そこでも記載してありますが、2021年5月現在においては、フリースクールを始めるために必要な資格や通らなければいけない審査はありません。と明記してくださっています。私も色々と調べた結果、その通りであると思います。

しかしながら、運営等含め持続可能な状態で行えているフリースクールは散見されるものの、フリースクール運営等の困難さを感じる記事や論文等も多くあり、どのようにすると持続可能な状況でフリースクール運営が可能なのか?という視点で今回は考えていきたいと思います。特に、今回はフリースクールの開校を考えている/フリースクールの運営を行うスタッフという立場にフォーカスをあてていきます。


1 なぜフリースクールの運営を行うスタッフにフォーカスしたのか?

フリースクールを始めるにあたり、まず確認しなければならない書類は以前の記事で書かせていただきました。

その中で、上記の記事の中でも書かせていただいておりますが、以下の資料がとても参考になります。

民間施設についてのガイドライン(試案)
https://www.mext.go.jp/content/1422155_004_2.pdf

上記リンクにある、「民間施設についてのガイドライン(試案)」の中では、スタッフの項目として以下のように明記されています。

4 相談・指導スタッフについて

① 相談・指導スタッフは児童生徒の教育に深い理解を有するとともに,不登校への支援について知識・経験をもち,その指導に熱意を有していること。

② 専門的なカウンセリング等の方法を行うにあっては,心理学や精神医学等,それを行うにふさわしい専門的知識と経験を備えた指導スタッフが指導にあたっていること。

③ 宿泊による指導を行う施設にあっては,生活指導にあたる者を含め,当該施設の活動を行うにふさわしい資質を具えたスタッフが配置されていること。

①~③の文言の中では、「不登校支援についての知識・経験を持ち、その指導に熱意を有すること」「(専門的なカウンセリング等の実施にあたっては)心理学や精神医学等、それを行うにふさわしい専門知識と経験を備えた指導スタッフが指導」「当該施設の活動を行うにふさわしい資質を具えたスタッフ」と実に曖昧な表現となっていることが見て取れます。

今回、スタッフの資質にフォーカスをした理由としては、フリースクールという教育の現場の中では、子どもと接する中心はスタッフであり、そのスタッフの資質は教育に大きな影響を及ぼす可能性があると考えたからです。当然に子どもに影響する要素としては環境的な要因や一緒に活動する仲間なども影響することも理解はしていますが、今回は対応するスタッフの資質について考えてみようと思いました。また運営に関することも結局は人が行うことであり、その運営方法などがどのように行われているのかにもスタッフが関係していると考えました。

以下の記事に関してはポジティブデビアンス(positive deviance)を元に話を展開していきたいと思います。ポジティブデビアンスとは、「いい意味での逸脱者」、具体的にはフリースクールでの対応や運営を上手くやっている人の特徴などを分析した結果をお伝えさせていただきたいと思います。

2 フリースクールスタッフに求められる資質とは?

そもそも、フリースクールでは、教員と呼ぶのか、スタッフと呼ぶのか?ということも明記はされていません(笑) 文科省の通知文では「スタッフ」と書いてあるので、今回は「スタッフ」という表記でいきます^^;

スタッフの資質に関しての具体的な明記はないものの、上述のように、不登校支援に関する一定の経験と知識を持った人が支援に携わることが「望ましい」というようには理解ができます。

「不登校支援・指導に関する熱意」に関して言えば、フリースクール支援に関わりたいと自ら志願してくる以上、ある一定の「熱意」や「情熱」をもっているものであろうと考えられます。

ただし、カウンセリングを行うに当たっては専門的知識・経験を持ち合わせたスタッフを用意することなどが明記してあり、そのフリースクールが掲げる支援の在り方、及び生徒スタッフのニーズに応じたスタッフを準備することが重要であることなのだと思います。しかしながら、上述のような能力や姿勢を兼ね備えたスタッフを揃えることは容易なことではないと個人的には感じています。

よって、その必要性に応じてですが、スタッフ養成のための研修プログラムも必要になってくるのだと考えております。具体的には、以下の様なプログラムです。

*児童生徒の発達段階及び成長に伴う心理社会的変化について

*児童生徒に特有な疾患の理解及びそれらに対応する知識・スキル

*児童生徒及び保護者/他機関等との信頼関係を結ぶためのコミュニケーションスキル

*支援スタッフとしての心構えと姿勢の構築

*熱意を持った対応と冷静な頭脳を駆使した対応のスキル(Warm Heart & Cool Head)

*・・・etc

上記のような知識&スキルトレーニングを積むことによって培われるものであるのではないかと考えられました。しかしながら、これはどこのプログラムに示されているものではありませんが、様々なフリースクールの機関の見学及びスタッフとの会話等(プライベートコミュニケーションレベル)での情報等を分析した結果、上記の様な研修を実施することで知識&スキルを得ることで可能になるのではないか思います。

その他、フリースクール全国ネットワークでは、スタッフ養成研修も実施していようです。

https://freeschoolnetwork.jp/training

上記のフリースクール全国ネットワークの研修ページにも記載されていますが、個別のHow toは集合型研修の中では難しいのではないかと思います。「相互の学び合いにより実践につながることを大事にしています。」と書かれているように、研修参加者自身の「気づき」に焦点を当てたプログラムになっているようです。これは支援を行う上での基本として重要な点であると考えられます。

結局のところ、スタッフ各々が対応可能な引出し(知識・技術)をいくつ持ち合わせているかが重要なのではないかと思います。フリースクールの場合、「教育」という概念を大切にしつつ、子どもの居場所、成長を促すということが目的/重要であり、時には「指導」、時には「支持」、そして時には「協力」という生徒目線で以下に物事を考えられる能力を自分自身が持ち合わせておけるのか?が大切になるのだと考えました。

フリースクールHIROでは、スタッフ研修の一つとしてこのような気づきを大切にした、それも一つ一つの対応に関する研修プログラムも用意しようかな…。なども検討していこうかと書いていて思いました(笑)


3 フリースクール運営に必要な知識

フリースクールの運営に関しての知識は私自身も初めてである為、正直はっきりとしたことが分からないというのが現状です。しかしながら、いくつかの論文等で運営の厳しさなどが書かれていたものがありました。

10年前の論文ではありますが、私自身が調査(CiNii)したところ、論文として公開さ入れているものは他に見つからなかなった為、掲載させていただきました。(※もし、フリースクールの運営等に関する論文でもっと新しいものをお持ちの方がいれば連絡/教えていただければ嬉しいです。)

しかしながら、2011年(10年前)と2021年(現在)でフリースクールの数そのものは増加していると考えられますが、制度等が大きく変化していない中、その数字等の変化もないのではないかと考えられます。

しかし、上手く運営が出来ている/持続可能な仕組みになっている施設があるというのも事実です。上手くいっていない理由を探るよりも、上手くやれている施設の特徴をいくつか整理していこうと思います。

*法人化して他の事業と併用して行っている

*地域に根付いた活動として、地域との信頼関係を気付いて行えている

*PRが上手く「ここに行けば大丈夫」という安心感/信頼がある

*運営に関して無理をせず、コツコツと着実に実施している

*情報収集を欠かさない/自分のスクールだけで課題や良かったことなども含め抱え込まない

当然にして、運営に関する知識等は必要になってくると思いますが、その運営の知識を活かすために共通していることは上記の点ではないかと思います。


4 資質とは?

最後になりますが、資質って何でしょうか?(笑)

資質を辞書等で調べると、「生まれつき備わっている天性の才能」などと表記してあります(笑)ここで、じゃぁ…私には無理!と思わないでいただきたいのです。資質の言葉の上位概念として「能力」という言葉があります。能力とは、「教育や環境などの後天的要因と素質的・生得的要因の複合の結果,個人の中に形成されるものである」と表記してあります。生徒もスタッフもともに能力を付けていくことが重要なのかな…と私は思います。教育って一方的にするものではなく、スタッフも生徒から教えてもらうことも多いんですよね。生徒の年齢が何歳であろうと「一人の人」として尊敬の念を持って対応することの必要性が私はあると感じています。教える人=立場が上の人、結果的に自分自身のパワーを使いやすい構図になってしまいます。もちろんそのパワーを行使する必要がある場面もあるでしょう。具体的には、生命の危機にある時や、生徒の今後の成長にとって倫理的に正さなければならない時、差別的な発言をした時など…だと思います。しかしながら、基本的な姿勢としては私は「対等」が大切なのではないかと思っています。

よって、資質としての能力は、いくつになってからでも磨くことができるものと思います。自分自身に関わる子どもの成長の為に自分を磨くことをあきらめずに一緒にやっていければと思っています。


5 まとめ

私自身、自分に資質があるとは思えていません(笑)この記事の内容についても自分にとっての必要性を感じて学習したり、今まで社会福祉専門職として大切にしてきたことを、今後フリースクールに関わる者の一人としてまとめたにすぎません。

ただ、この記事の文中にも書いてあるように、少なくとも子どもの成長等に対する「熱意」や「情熱」は必要なのであろうと思います。それが自分自身を動かす何よりの理由になるのだと実感しています。

この記事を読んだ一人でも多くの人が読んでよかったな…とちょっとでも思ってもらえれば書いてよかったな♪と思います(笑)

最後までお読みいただきありがとうございました^^


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