東京事変、再生〜たまには、音楽のことを〜

2020年元日に発表された、大きな音楽ニュースが東京事変の復活であった。

紅白歌合戦で、椎名林檎が素敵なパフォーマンス※1を披露した直後で、さすがの展開である。

8年前の最後の公演は、同じ閏年の2月29日。今年の再始動ツアーは、この閏日スタートということで、このあたりのこだわりも、ファンにはうれしいそうだ。

大好きなバンドが復活するというのは、えもいわれぬ気持ちなのだろう。

昨年末に聞こえてきた、Red Hot Chili Peppersに名ギタリスト・ジョン・フルシアンテ復活の報は、私もほんのりあたたかい気持ちになったから、理解できる。

でも、一番見たいバンドは、いまだに復活しない。

2020年といえば、椎名林檎と同じ東芝EMIに所属していた氷室京介も、還暦を迎える。

昨年12月28日におなわれた布袋寅泰のライブ※2では、氷室京介以外の3人が集結し、懐かしいナンバーをあれこれやったそうだ。しかし、不完全なメンツでやればやるほど、バンドの要が誰なのかを思い知るという皮肉な結果になったようだ。

私も、渋谷公会堂で行われた、布袋のツアー初日を見たが、本人もうっかりMCで「失敗」といいかけたくらい※3、メインパーソンが苦労していて、そのようなコンディションで、他のバンドメンバーを迎え入れたのも良くなかったのかもしれない。

今年は、東京オリンピックの年である。

叶わない願いなのかもしれないが、あの4人が開会式で勢揃いして、氷室京介に、「ここは東京だゼ!」と発してほしいのは、私だけだろうか。

とはいえ、このMCが登場するであろう曲は、歌詞がなぁ……。

星野源みたいに、一部だけ綺麗に変えられるようなものでもないし。 ※4

バンドを復活しない美学も、とてもわかるし。

いつになっても、季節がヒムロックだけを変えないのである。


※1 ただし、メドレーじゃなくてもよかった。1曲目は中途半端であり、「人生は夢だらけ」に集中すればよかったと思う。そんなに早着替えの演出が必要だったのだろうか。ちなみに、今回の衣裳のみどころは、筋肉質なふくらはぎであった。

※2 BOØWYが6時間にわたるスペシャルGIGを行った神戸の会場。

※ 3 「今日はみんなの方が緊張しているんじゃないないか」という旨でトークをはじめ、気持ちが先走って「セットリスト、『しっ』」まで発して、「セットリスト、考え直そうかな」という前向きな表現に立て直したと記憶している。

※4 2019年末の紅白歌合戦で、「Same Thing」を歌った際に、「FUFJ you」を「Screw you」と変更した。

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