ヤクルト1000とストレス社会
コンビニにヤクルト1000が置いてあるとつい買ってしまう。
この商品が話題になってからだいぶ時間が経ったので場所によっては常時在庫あり、というケースもあるみたいだが、私の周囲のコンビニでは基本いつ棚を見ても売り切れていることが多い。だからはぐれメタル並の遭遇率をクリアして奇跡的にヤクルト1000と対面出来るとなれば、否応がなしに財布の紐が緩んでしまうのである。
では、肝心のこのヤクルト1000の効果はどうかという問題だが、これを飲んだ翌朝は心なしかいつもよりスッキリ目覚められている気がする(完全なるプラシーボ効果かもしれないが)。やはりこれだけ売れているだけあって多少なりとも体調の改善効果というのは存在するのだろう。
また、ヤクルト1000の爆発的な売上げの背景にはこの並々ならぬストレス社会が関係している、というのはよく言われていることであるが、やはり私も例に漏れず膨大なストレスを抱えている人間の一人だ。
日々退屈な労働、いや常時苦痛を感じ続けなければならないような労働に勤しみ、何人もの性格に難がある人間と相対しなくてはならず(お互い様ではあるが)、周囲のピリピリした空気を敏感に察することで謎の精神的エネルギーを消耗し、ほぼ毎日のように社会性の無さを説教され、そして何より給料が低いことに絶望する。
もうストレスで頭がおかしくなる。
こんなんだから退勤時、駅から家までの道を歩いてる途中誰も周囲にいないタイミングを見計らって超裏声で男性器の俗な方の名称を叫ぶ始末である。途中万が一誰かに聞こえてしまったとしても「ん、遠くで猫が鳴いたのかな?」と思われるぐらいのトーンで事に及ぶのがミソだ(知らねーよ)。
とにかくそれぐらいの奇行に及ばないと自我が保てない。世のくたびれたサラリーマンはどうやって日々の鬱憤を発散させているのだろう。
そもそもその鬱憤の溜まり具合というのは人によって千差万別であろうから、私と同じぐらいのストレスを溜め込んでいる人間はどういうやり方で自我を保っているのだろうか。
早くその人間が抱えているストレスの重さが数値化されて表示できる世界になってほしい。それぞれの人間のストレス値に合わせて専門家かAIか何かが「じゃあお前はサウナ、お前はゴルフ、お前はピザ食べ放題、お前はSM倶楽部、お前はピンポンダッシュ、お前は南極で凍らせたバナナで釘を打ってDIYするのがいいよ」みたいなストレス解消法を提示してくれる。そんな世界になったら、いいよね~。
とりあえず今はヤクルト1000に一縷の希望を託して日々を生き抜くだけである。ヤクルト1000ありがとうオリゴ糖。
おわり
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