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趣味として成立するのはどこまでなのか

 「趣味は何?」という問いに対して上手く答えられない。少し前までは世間的な体裁を気にして無難に「読書」とか言ってたけど、最近「趣味が読書とかあまりにもありきたりすぎないか……?そもそも言うほど本読んでないし」というように感じてきて実際に「趣味は?」と聞かれても「う~ん、読…………映画かな!」としか答えられない。

 マジで映画も読書も無難な回答なのには変わりないんだけど、やっぱり読書は無難of無難すぎるよな~と思って映画の方向に舵を切ってしまう。しかし映画もそこまで詳しいわけではないので、「へぇ~どんな映画好きなの?」と聞かれたらそこでもう会話のラリーが途切れかかってしまう。「う~ん、逆に僕の好きな映画って何なんですかね?」という頓珍漢な応答をしてしまいかねない。やっぱりそのジャンルについてそれ相応の知識があってこそ趣味は趣味として成立するのだと思う。


 就職活動をする時に書くエントリーシートにも自己紹介の枠に趣味を書く欄があったけど、そこにも結局読書とかピアノとかなるべく人事にウケが良さそうなものを書いてしまった。今思い返せば完全に量産型の学生である。

 逆にどんなことを趣味にしたら魅力的に映るのか。人事側の目線に立つとやはり体育会系的な人材が欲しいってことでスポーツ系のものとか書いてあった方が良いのだろうか。就職活動は企業と学生の嘘つき大会とか揶揄されてるぐらいだし僕も変に真面目ぶんないで趣味:サーフィン(大嘘)とか書いとけば良かったのかな。でも僕は真面目で誠実な人間なのでちゃんとエントリーシートには「サーフィン(大嘘)」の「(大嘘)」という文字まで記載する。人事に「君、サーフィンとかやるの?意外だねぇ~」と言われた時に「いやよく見てください、そこに嘘って書いてあるじゃないですか」「ん……?ほんとだ、ほんとだっていうかいや君、これよく見たら(大嘘)って一体何を書いているんだね!?ああハイハイ、君サーフィンとかするような人間じゃなさそうだもんね……」「お言葉ですが、そんな文字も見落とすような低い観察力の人間が人事をやっている会社はこちらから辞退させて頂きます、では失礼」というやり取りが出来るようにするためにね。


 少々脱線してしまったが、とにかく自信を持って人様に言えるような趣味を持ちたい。


 「休日をどう過ごすか」という問いは「趣味が何なのか」という問いとほぼ同義な気がするけど、休日の過ごし方も適当にインターネットやって寝るだけだしこれでは「僕の趣味は適当にネット見て寝ることです!まあでもネットサーフィンしてるから実質趣味はサーフィンと言ってもいいでしょう!」ということになってしまう。それはあまりにも退廃的で生産性がなさすぎるのでなるべく避けたい。


 だが少し時間をおいて、よくよく考えてみればこの問題はそんなに気にすることでもないのかもしれない。適当にインターネットの海を徘徊して惰眠を貪ることが趣味として許されるならばそれはそれでいいと思う。


 ただ、やっぱり普遍的な趣味と一線を画した何らかの趣味を持ちたいという願望は心の内側にずっと潜伏している。それはきっと何の魅力もない人間だと思われたくないっていう社会的欲求が根底にあるからだろう。そしてそう思うのは現に自分が何の魅力もない凡夫だからである。ああやだやだ。



 ざっとここまで書いて自分で読み返してみたけど、これからは趣味の欄に「よくわからないブログで自分を卑下する文章を書くこと」って書くことにします。ここまで読んで下さってありがとうございました。

おわり


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