「教える」⑰ ~なぜパソコンのヘルプは役に立たないのか~

「教える」。

他人と関わっていく以上、

付き合うことになる問題です。

そして「教える」という事は難しい。

この「教える」という事について考えることが、

1人1人の学びに繋がっていくと思い、続けて述べています。


前回は、

「教える」ことができるのは、

自分のフィールドだけじゃない。

「専門用語」「業界用語」が使える、

自分のフィールドに持ち込まないと

教えられないというものではない。

他人のフィールドに自ら登り、「教える」こともできる。

どんな他人の話からでも、繋げることができる。

「教える」ことに、限界はない。

ここまで書かせて頂きました。


皆さんは、スマホやテレビなどの電気製品を買ったとき、

説明書が入っていたと思います。

その説明書を、しっかり読まれたでしょうか?

中には、一読することもなく、

コンセントを挿したり、スイッチを入れたり、ボタンを押してみたりと、

早速触られた方もおられるのではないでしょうか。

また、パソコンで作業中にエラーが発生したとき、

エラーの解決をするためにヘルプ画面を開いたことがあるかと思います。

そのヘルプが役に立ったことはあるでしょうか?

特にエクセルやワードなどのヘルプは、

私は一度も役に立ったことはありません。

ヘルプに頼るよりも、Yahoo!知恵袋に聞いた方が、

断然分かりやすかったです。


なぜ説明書をしっかり読まないのか。

なぜパソコンのヘルプは役に立たないのか。

それは、自分の言葉で書かれていないからではないでしょうか。


自分の口でしゃべっている。書いている。教えている。

それなのに、自分の言葉で語られていない事があります。

それは、

「上司がこう言っていた」

「先生からこう習った」

「本にこう書いてあった」

「ネットにこう書いてあった」

というような言い方です。

それだけでは、事実を述べているに過ぎません。

あくまで主語が他人になっています。

それを聞いた自分はどう思ったのか。

それを知った自分はどんな行動をしたのか。

自分の意見が、語られていない。

そうした教え方には、説得力がありません。


実際、スマホやパソコンで分からない事があったとき、

既に使っている他人に教えてもらった方が多いのではないでしょうか。

説明書やヘルプより、

なぜ既に使っている人から聞いた方が分かるのか。

それは、ナマの意見が聞ける。

すなわち、自分の意見が語られるからではないでしょうか。

まるでロボットが指示を出すかのように、

「次は『右クリック』して下さい」

としか言わないような教え方ではないでしょう。

「マウスの右側を押すんだよ」とか

「そうすると、何か表示されたよね」とか

「こんな所に隠れてるなんて、使いにくいよね」とか。

操作手順だけにとどまらず、

具体的な体の動かし方や、

その時その場で感じた心の変化を実況してくれます。

そのような教え方になって、説得力が出るのです。


上手に「教える」事ができるかどうかには、

こうした自分の言葉で教えているかどうかが問われます。

バカの一つ覚えで、どこかの良さげな言葉をコピペしただけで、

ちゃんと意味を自分で考えていない。

マニュアル人間で、ルールが絶対だとかたくなに信じ、

少しも自分の思いを語らない。

前回テーマにした「専門用語」「業界用語」ばかりを多用する人も、

そのような人たちでしょう。

こうした人に、

「なぜ、あなたはそれが大事だと思ったのですか」

「なぜ、あなたはそれが正しいと思ったのですか」

こうした質問を突き付けられると、しどろもどろになったり、

「大事なものは大事なんだ」

「正しいものは正しいんだ」

と、ごり押しな答えしか返ってこないでしょう。

そんな人から教えて欲しくないでしょう。


自分の言葉で「教える」ことができる。

それは、教えようとしている事に自信を持っている。

「あなたに教えても大丈夫」と責任を持てる。

その自信と責任感の強さが、自分の言葉となって表れるのです。

そして、それを聞いた人の安心や信用になるのです。


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