目玉とワタシ

チェッカーズの流行りは遥か昔に流れ去り、藤井フミヤが「本当の愛」などという弾き語り初心者の格好のターゲットになりそうな歌で200万石を拝していたのはワタシが大学生の頃。

当時のワタシは、全身チェックの衣装をまとい、アタマを7色に染めて、、、はいないが、洗えば落ちるカラースプレーで7色にして(公務員志望の専門学校で講師のバイトをしていたからね)学内を授業に出るわけでもなくウロウロしていた。
大学はバンドの練習と茶道をしない茶道部で麻雀をする為だけに通っていた。

いつも胸元でぶらんぶらんしていたモノ。

それは大分市内の「なんとかハウス」という、変なモノだけを売っている店で買った、目玉のネックレス。

目玉といっても「こんにちはキテイ」とか「KKKP」ましてや「何故か二足歩行をする巨大ネズミが権力をもち、巨大な城を有している例の国のマスコット」の様な可愛らしいヤツではなく、恐らくほぼ実物大の血管など描かれたリアルな「眼球」である。
気に入っていたのだ。

しかし若さとは愚かなモノで、いつの間にか失ってしまった。。。

30年前のお話。

しかし30年の時を経て、目玉ネックレスを失うなどという粗末な扱いをした祟りであろうか?
ここ10日ほど眼の調子がすこぶる悪い。。。

実は!という程でもないが、ワタシは高校生の頃から非常に困ったちゃんな角膜の持ち主で、医者曰く表面がデコボコしていてメガネやソフトコンタクトでは視力が出ない。
そこで寝るとき以外は常にハードコンタクトをつけているのだが、プラスチックの小さいアイツはなかなかヒステリックな存在である。
おかげで、今だに風が強い日は外に出たくないし、都城に住んでいた頃は桜島の噴火による火山灰の到来に恐れ慄いていた。冬の西陽に舞う繊維埃も、幕ノ内一歩並みのウィービングでよけたくなって、首がギックリしたコトもある。

コンタクトケア用品だけでも常に4種類を駆使し、なんとかヒステリーを起こさないように努めてきた。

そう、機嫌が悪い野比玉子に接する野比のび助の様に。

なのにここ最近、眼の中の保湿成分を全て吸いつくされた様に、瞬きをする度にゴギギギギィ〜となる感覚に襲われ、その度に目薬を差すのだが、焼け石に水とは良く言ったもので、昨日は牛肉を焼いたら美味しかった!

こうなってしまうと、もうコンタクトを外して眼を休ませねばならない。
幸いなコトに右目はまだピュアな心が残っているようで目薬で騙せている。
んが、不幸が全体を取り囲んている中での幸い、そして、そんな爪に火をともす様な幸いもまた、禍福はあざなえる縄の如し。
なんたる強烈な祟りだろうか。。。

右目の矯正視力は0.3くらいなのだ。

今日はホントはラーメンを食べに行きたかった。。。
パソコンで色々細々しいコトをやりたかった。。。
換気扇を取り外して洗ったりしたかった。。。

ラーメン屋さんに行ったとしても、片目、しかも0.3しか見えてない。
食券機でいつものヤツを押したつもりが、楽しみに待った挙げ句トッピングの海苔だけ出てきたら、浅草と有明の違いを念仏の様に泣きながら唱えなければならない。。。

無理やりパソコンに向かったとして、大事な相手に大人向けのサイトのリンクなど送ってしまったら信用問題に拘わる。

換気扇もよく見えないまま取り外そうとして、C級ホラー映画「地獄のモーテル」のようにミンチになっても困るし、そうなった場合「誰がそれを美味しいと評判のハンバーグにするのか?」といった難題も残る。

やる事がない。。。

午前中、ガットギターで曲を作ったりした。
コードを弾く位なら見えずとも何とかなる。

TVをつけたりもしたが、見えないTVほどつまらないモノはない。

今日の午後は天気が良かった。

何という神の啓示であろうか!
柔らかい冬の日差しに閃いた!
あまり細かいパーツの無い、ベランダの掃除なら出来るではないか!!

ぐおう!!やるぞーーっ!
と、正に四角いところを丸く拭き上げてベランダ掃除完了!!

そしてベランダにあぐらをかいて、毎年恒例ベランダ呑み。
景色は良くないが、空の色は見えて開放感はあった。
1年に1回、一本だけ、大好きな瞬間なのだ。

はてさて、目玉のネックレスは、今でも誰かの胸元でぶらんぶらんしているのだろうか? 

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