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税理士業務を会計士が行うことについて考えてみた

こんばんは、タケです。
私は税理士資格を持っていますが、原則として税理士業務は行っておりません。この背景について書いて行こうと思います。

税理士業務による収入の特徴

一般的に、税理士の顧客は中小企業が多いと言われています。そのため、一つのお客さんから多額の報酬をもらうというより、たくさんのお客さんから少しづつ報酬をもらうというスタイルが一般的です。具体的には、法人のお客さんであれば30~80万円くらいの年間報酬を頂き、数をこなすことで売上を上げていくパターンが多いです。
このため、従業員を雇って数をこなしていかないと儲からない商売と言えます。

税理士業務の特徴

国や自治体は平等・公正に、個人や法人から税金を徴収しなければなりません。この、平等・公正を言い換えると、誰が見ても同じ判断になるということです。そのため、恣意性の入る余地がなくなるよう、事細かに条文や通達が決められているのが特徴です。この条文や通達を見落としてお客さんにとって不利な対応をしてしまうと、後から訴えられるリスクがあるので、条文や通達をきちんと見ておかないといけないのが特徴です。
会計士ももちろん会計基準を理解する必要があるのですが、実態を見て判断することが多いため、柔軟な対応が求められるのが特徴です。

会計士と税理士業務の相性

税務は条文や通達を把握する必要があって形式的な部分が多いのですが、会計士は形式より実態を重視する部分が多いです。従って、税務と会計はかなり性質が異なり、会計士だから税務ができるとは限りません。会計士であっても税理士事務所などで経験を積まないと、ちゃんとした税務はできないのではないかと思います。
もちろん、会計士であれば法人税や所得税、消費税の概要は理解していますが、あくまで概要であって、条文や通達を見落とさず精緻に申告書を作る、と言う税務業務ができるかどうかとは全く別モノだと思います。

いざ会計士が独立となると、とりあえず税理士登録をして税務業務を行おうと考えるかもしれません。しかし、経験がない中で税務を行うのは上述のとおりリスクが高く、かつ、従業員も雇わなければなりません。そもそもたくさんのお客さんを捕まえなければならないので、顧客基盤がないことには相当厳しいのが現実です。税務は、値下げ競争も厳しいです。

今後伸びる可能性のある税務業務とは

その中でも、特定の業種に特化した税務であれば、高い競争力を備えることができるかもしれません。飲食店や美容室に特化してその業種で高い評判を得ている事務所もあります。また、国際税務や組織再編税務など、高度な分野に特化するのもいいかもしれません。昨今では、相続税の申告も増えていますので(既にレッドオーシャン化していますが)、この分野をスポット業務としてやっていくのもいいかもしれません。

私の考え方

従業員を抱えるということは、その従業員を食わせていかなければならないので、従業員の給料を払う為に、やりたくない仕事までやらなければならなくなる可能性が出てきます。また、お客さんが多いことは良いことだと思いますが、その分顧客管理が大変になってしまいます。
私は自由に働きたいという志向が強いので、今のところは税務をメインでやっていこうとは考えておらず、スポットで相続税をやるくらいかなと考えています。(そもそも相続税以外の税目の実務経験がほとんどないので、余程簡単なもの以外はやってはいけないと思ってます)。特定のお客さんに依存することは大きなリスクと言えますが、その分、既存のお客さんを大事にしていかなければと考えています。

会計士が税務を行うことに対しては、色々な考え方があると思いますので、あくまで一つの考え方として参考にして頂けたら何よりです。

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